第2話


「あれが、冬の大三角。そして、あれが北極星ですね。」


 星空を、私たちは眺めていた。


「すごい、お星様みたい!」


「いや、星空だよ?」


 すぐに、ツッコミが入った。

 これは、あくまでも恒例。


 純粋なバカではない。

 あ、流れ星!


「ねぇ、あれ流れ星かな?」


「ん? 飛行機だよ?」


 純粋なバカではない。(多分)

 そう、きっと、純粋なバカではない、はず。




×+×+×+×+×




 修学旅行も今日で2日目。



 山登りをしていると、なぜか山賊と鉢合わせた。


 なんで、今の時代に山賊なんているのよ。

 まぁ、明らかに現代人だし、怪我人のふりをしてたから、現代版だけど。


 ただ、おかげで人質も取られ、金品を完全に奪われた。


 せっかくの、山登りだったのに。


「よし、じゃあ、1人ずつ落としていくか。」


「え?」


「人質処理しなぇとな。」


 まさか、いつも落として自己処理してるの?


 立ちすくんでいると、声が聞こえてくる。


『現在、お前たちは包囲されている。大人しく投降しろ!』


「ちっ」


 警察の声かな。まだ、誰も通報していないはずなのに早いな。


ドンッ


 ちょっと?証拠隠滅はもう無理でしょ?


ザッ


 ふぅ、危ない。なんとか助かった。あやうく落とされるところだった。


「ヤケだ!全部落としてやれ!」


 嘘でしょう?



 もう、ダメだ。こうなったら、やるしかない。

 みんなだけでも、生き残ってね。


ドンッ


 盗賊3人の集まっているところに体当たりした。

 そして、残った1人を掴んで、



 飛び降りた。






 体に、ふわりと優しい風が当たる。

 ゆっくりと、地面が迫ってくる。


 ほら、私ってバカだからさ。こんな方法しかわからなかったけど。


 きっと、みんななら、もっと良い未来を作れる。



 だから、泣かないで、笑って、頑張って。







 だからさ・・・








 あんた達の涙なんていらないよ。






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