性癖文学

 安っぽいお酒で酔っ払った、帰り道によくこんなことを思う。あんなに好きだったものも人も、どうして好きだったのか忘れてしまって、でも、あんなに好きだったことはちゃんと覚えている。そしてそれは完全に忘れたとは言い難いわけで、この微熱って最後はどこに行くのだろうって。

その微熱だけで人と話したいな。


『性癖文学』より

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