第24話 剣聖討伐戦 Ⅱ
「……そろそろ出てくるよ。」
カインの徒党の詰め所に巡回していた班が戻って来る。
そして、ほとんど時間を置かずにカインの班が出てくる。
「予定通りですね。アルフレッド君、本当に支援は要らないんですか?」
「はい。もし仲間を呼ばれそうになったりした時は頼みますけど、一人でやってみます。」
そもそもこの復讐は俺が始めた事だ。
それが何故か、いつの間にか様々な陣営を巻き込んでいたが、やはり俺が復讐を成し遂げなければ意味が無い。
「そもそも最初は全部一人でやるつもりだったんで大丈夫ですよ。それに、レインさんがいればどんなピンチでも安心です。」
「アルフレッド君……。」
そのやり取りを見ていたシャインが少し呆れた様子で口を開いた。
「はぁ、イチャイチャするのは後にした方が良いんじゃないかい?」
「イ、イチャイチャなんてしてません!」
レインが顔を少し赤らめて否定する。
まぁ、どうでも良いが。
「じゃあ、行ってきます。」
「あ、はい。気を付けて。私達も見てますから。」
奇襲する予定の位置に移動する。
レイン達は元々隠密部隊なのでこれほど暗くなったら俺の隠密スキルもそもそも必要無い。
「カインさん。この時間は警察も自警団も普通に警備してるのに俺達って必要なんですか?」
「当たり前だ。」
カインと他は二人。
上手くやれれば問題は無いと思う。
まずは雑魚二人を片付ける。
その後にカインだ。
「巡回の目的は犯人の逮捕ではなく犯行の予防にある。こうやって見回りするだけで意味があるんだ。」
「なるほど!流石です!」
まずいな。
油断が無い。
他の雑魚二人は油断しきっているが、カインは腰の剣から手を離さない。
これでは近づいた途端に斬られる。
「それに……。」
カインが俺のいる方を見る。
俺はスキル『隠密』で見られては居ないはずだ。
「俺が狙いなら犯人は必ず今を狙う。」
カインはすかさずナイフを投げてきた。
「っ!」
俺は『俊足』で躱す。
やはり気が付かれていた。
「カ、カインさん!?」
「何を……。」
すると、雑魚二人の間にレインとシャインの二人が突然現れる。
成る程、レインが『ワープ』したのか。
「なっ!?」
そして、音もなく二人を瞬殺する。
「アルフレッド君。余計なお世話かもしれませんでしたけど念の為二人は始末しました。」
「いえ、ありがとうございます。助かりました。でもここから先は俺にやらせて下さい。」
レイン達の機転に助けられた。
恐らく、カインはここで助けを呼びに行かせるつもりだったのだろう。
俺一人では危なかった。
「ちっ。まぁ良い。やはりアルフレッドか。散々暴れまくったな。もうやらせんぞ。そして、フレンを元に戻してもらう。」
「知るか。クソ野郎。」
名前を呼ばれてしまった。
その事に気が付いたレインは慌てて口を抑えている。
もう遅いのだが。
スキル『隠密』を解除する。
どうやらこいつの眼の前ではどれだけ気配を消そうとも意味が無いらしい。
「来いよ。悪魔の手先。」
「あぁ、お前を殺して、フレンも楽にしてやらないとな。」
すると、カインは剣を抜き、こちらに向ける。
「フレンを廃人同然にした報い、村人を殺戮した報い。ここで受けてもらうぞ!」
さて、今の俺でも勝てるかな?
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