哲学ではない、僕の哲学

羽弦トリス

第1話人間がモノを食べる時

僕は高校時代から、人がモノを食べている姿を見ると、何故か悲しくなる。

汚い食べ方をしている人ほど僕は好きで悲しくなる。

例え、女性の食事の瞬間でもそう思う。

食欲は三大欲求の一つ。

見ていると、

『あぁ〜、食べてる食べてる。きったねぇ食い方だ。もっと下品に食べろっ!』

て、つい思ってしまう。

僕は食べ方がとても下手。だから、ワイシャツは醤油やタレで汚れている。

直ぐにクリーニングに出すが、出さない事もある。


僕はオジサンが駐車場の片隅で弁当を食べている姿を見た。

ムシャムシャ咀嚼する姿に涙が出そうになった。きったねぇ食い方だけど、オジサン、仕事頑張ってね。と。

また、スーツ姿の若いお姉さんがコンビニの駐車場で正座して弁当を食べていた。

凄い女性だな?と、思って遠くから眺めていたが、一口の量が多く、ほっぺを膨らまして食べていた。

一種の哀れみを感じたものだった。

子供が僕に言う。

「パパって、食べ方汚いよね。ピチャピチャ音を立てながら食べてるから、他人から嫌われるよ」

と。僕は子供に言う。

「食べる行為自体が下品なんだから、マナーなんて無いんだ!お前も、音を立てながら食べるようになる」

と、凄い持論を子供に押し付ける。

すると、妻が言う。

「あんたのせいで、子供がトマト嫌いになって、しかも食べ方が汚くなった!」

と。

僕はちょっと嬉しかった。

恐らく、読者の方はこれを読んで眉をひそめるだろう。

だが、どんな人でも食べる姿は悲しい。

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