第17話

「はあ、どうして私がこんな事を…」

ジュリエルは藤堂に捕まり、ダンジョン省の会議室にいた

「本人から説明した方がいいかと思いまして」

「説明も何も私だって何も知らないわよ」



それから少しして一級探索達が10人ほど会議室に入ってきた

「これで全員ですね。では、会議を始めましょうか」



藤堂がダンジョン省で確認した事項を話し、質問がないか尋ねるとスキンヘッドの探索者が質問した

「敵について何か分かっている事は?」

「何も分からないわ」

「それは…ずいぶんと乱暴じゃないか?」

「穴はかなり深くて何も見えないわ。降りた訳でも無いのに分かる訳ないでしょう」

「でも、強いモンスターがいると言ったじゃないか」

「モンスターの唸り声や強い魔力を感じたわ。それらから判断したにすぎない。理解してもらえたかしら」

ジュリエルがそう言うと我慢ならないといった様子で若い探索者が文句を言い始めた


「大体、リーパー5体も倒したり、下に強いモンスターがいると言ったり、信用出来ないな」

「なら、帰ってもらって構わないわ」

「は?」

「リーパーが5体出現した事も穴の中が最下層よりも高濃度の魔力が充満している事もダンジョン省が事実と認定している事よ。それが信用出来ないと言うならあなたはいらないわ」

「な…!」

「どうしたの?お帰りはあちらよ」

「…覚えてろよ」

ジュリエルがドアの方を指すと若い探索者は顔を真っ赤にして捨て台詞を吐きながら部屋から出て行き、パーティーメンバーだと思われる探索達もその後を追った


「他にも怪しいと思ったり、荷が重いと思った人は帰ってもらって結構よ。」

「アンタが対処するって言うのか?」

「ええ、元々そのつもりだったから、予定通りよ」

ジュリエルの言葉に何組かの探索者が抜け、結局三人組のパーティーしか残らなかった


「あなた達は怖気付かなかったようね」

「緊急事態に対応する事が一級探索者の役目だ。アンタがどれだけ強くても、この役目は放棄しない」

「あなた達、名前は?」

「そう言えば名乗って無かったな。俺は細田、魔術師だ」

スキンヘッドの男、細田はその名前に似合わないガチムチの筋肉をアピールしながら応えた

「俺は変田、戦士だ」

中肉中背の男、変田は普通に応えた

「僕は荒木です。盾師やってます」

細身の男、荒木はオドオドと応えた


「細くない細田に、普通な変田、全然荒ぶってない荒木ね。頭がこんがらがりそう」

「ま、気にするな。名は体を表すと言うが、俺たちには当てはまらなかっただけだ」

「そういう事にしておきましょう。私はジュリエルよ。よろしく。ソロでやってたから大体の事はできるわ」

自己紹介を終え、作戦を立てている時に藤堂がボソリと呟いた


「中々、個性の強いメンツですね」

「もしかしてそこに私も含まれてる?」

心外だと言うかの様に食い気味に詰め寄るジュリエルだった

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