第十六話 え? 私にもお客様?
私は洞窟へと戻った、カオス達は作業中だ。
ふむふむ、まあ復旧作業とかよくわからない。
とりあえず? 順調でなにより。
「カオス、お客様よ?」
「ああん? お客様? 知らねー知らねー俺は復旧作業で忙しいんだ」
「あのなぁ、ちょっとこっちこい」
「んだよ、面倒くさいなぁ」
とりあえず私達は村の人達から離れた。
聞こえていたらまずいからね。
さてはて、このカオスをどうしか説得しないと。
いや面倒くさい。
「あのな? ここの人達に迷惑がかかるだろ?」
「ん? そんな厄介な輩なのか?」
「とりあえず私の首をはねるくらいには」
「え? ほう? 力だけはあるようだな」
「さうさね、で、どうするの?」
「はいはい、行くよ……はいはい、異世界転移を発見、んじゃ行って来るわ」
まったく……カオスにも……ん? 村の方から良くない気配が。
ほう……あのクソどもは村にちょっかいかけると。
ふむ、ここには分身を置いておこう。
よし、とりあえず、今すぐ村へ向かおう。
ほほいのほいと移動してきた私。
ほうほうほうほうほうほうほう!
村から少し離れた所に、あの暗部の人達が居るな?
いや待て……誰の差し金だ? 先ほど会った暗部とは違う。
雰囲気って言うのかな、それが違う。
ま、危害加えるってんなら相手になる。
……私は基本的には異世界誘拐犯に中指を立てるんだが。
今回は見過ごせないね、私の心のケアを邪魔したんだ。
その時背中に激痛が走った、ふむ、どうやら刺されたようだ。
「はっはっは! 空中に居れば大丈夫と思ったか! 魔女め!」
誰かはわからないけど、声をあげるから暗部の方々が気付いたじゃないか。
「魔女? さてはて何かご用意かしら? それにしては挨拶が乱暴さね?」
「やっと見つけたぞ! 俺の世界を滅茶苦茶にしやがって!」
「ん? 私を知ってるの? 覚えてないんだけど」
「相変わらず余裕だな! 魔女! 俺は貴様に復讐する為にこの世界に来た!」
「ふむふむ、本当に思い出せないけど、うざい」
私は背後に居るであろう男を、振り返りながら右手でしばいた。
ったく、刺さっている剣も引き抜いて、投げ返してやった。
あらあら、流石に受け止めるか。
「で、アンタは誰なのさ」
「俺を忘れただと!?」
「んん? 異世界転生か転移した人間だろ? んで、どうせチートでチヤホヤされて、イキリ散らしてたんでしょ?」
「俺は神の慈悲でその力を得た!」
「ふむふむ、それで?」
「俺が偉いんだ!」
「はぁ……そんなネットのまとめに居そうなセリフ吐くなよ、元の世界でネットに引きこもっていろよ」
「この世界の神が俺に復讐のチャンスをくれた! お前がカミッニで好き勝手した結果! 俺が召喚された!」
「えぇ……カミッニの神様も何でこんなアホみたいな奴を……はぁ」
なんか馬鹿らしい、別にいいか私には関係無い。
で、こいつは何がしたいんだ?
まあ私に怨みを持っていたから、この世界に呼ばれたと?
てか、カミッニの神様に呼ばれた?
いやいや、好き勝手したのカオスじゃん。
何で私が火の粉降りかかるんだよ!
「あのさ、カミッニの出来事は私は無関係なんだが?」
「そんなのは知らん! 俺はお前に復讐出来ればいいんだ!」
「はぁ、で、どうするのさ」
「はっはっは! お前がその村を潜伏先にしているのはわかっている!」
「ふむ、違うけどな」
「噓をつくな!」
「は、話が通じない」
や、やべぇ……こいつやべぇよ!
てか私はこんなやべぇ奴忘れるか?
いや、復讐でおかしくなったのか?
めんどくせええぇぇぇぇええぇぇぇえええぇ!
ま、いいか。
「わかった、お前達は私を殺したって事でいいか?」
「そうだ! 私はお前に復讐したいだけ! この世界なぞどうでもいい!」
「おいおい暗部の方々よ? こいつやべぇ事言ってるけどさ、大丈夫なのか? お国柄的に」
あらあら、暗部の方々は何時ものだんまりさね、んじゃ、本気で私もイキリ散らすか。
今回は異世界誘拐犯じゃないが、ここで止めとかないと村に迷惑がかかる。
「じゃあ殺し合いを始めようか? ネットに居そうなイキリ散らしさん?」
じっくりとなぶり殺し……いや、こいつを材料にカミッニに殴り込みをかけるもの面白い。
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