第十四話 ふむ、困った事があるようさね?

「大丈夫なんですか?」

「食べ物は自給自足で何とかなるが、日用品は流石に買わないといけない」

「セイント、俺達でどうにかするぞ」

「あら? やる気ね?」

「当たり前だ、人に優しくさりたら優しくする、それに本当に困っている人を見捨てろと?」

「……まあそうさね」


 本当にキラキラ主人公さね? うん、キラキラ主人公過ぎて気持ち悪い。

 ま、私もカオスの考えには同意見だがね。


「申し出はありがたいのですが、お支払い出来るものが……」

「いや? もう貰ってますよ? 奥様の料理は美味しいです、味だけでなく人の心をあたたかくする」

「いえいえ、そういう訳には……」

「村長さん? 自分の奥様を低く見積もるのは失礼さね?」

「え? ええ? いや、そんなつもりは……」

「アナタ、この方達のご厚意を受けましょう」

「……うむむ……村としてはありがたいですが……」

「あ、村長さん、気になっていたんだけど」

「何でしょうか?」

「もしかして、鍛冶……あ、武器とか鍛冶ですね、とかなさいますか?」

「え? ええ、農具やナイフ程度ですが」

「あ、すみません、鍛冶用のハンマーが見えてしまい」


 ふむ、確かに私達の座っている所から、作業場がチラッと見えている。

 大きいハンマーとか、まあ鍛冶に使う工具があるさね。


「どうでしょう? 洞窟の復旧には間違いなく……少なく見積もっても数日はかかります、ナイフを作ってくれませんか?」

「いえいえ、それだけでは報酬にあわないのでは?」

「アナタ、もう根負けした方がいいわよ、人の善意はありがたく頂戴しましょ?」

「……ありがとうございます」


 村長さんが深々と頭を下げている。

 私達も頭を下げたさね、善意の押し付けだしね。

 ま、明日から落盤の復旧作業か。

 さてはて、しばらくはスローライフかね?

 それもいいか、最近は心が荒んでいたからね。

 明日からチョットたのしみさね。

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