第十話 あらあら?関所が封鎖されたのね?

第十話  とりあえず私達は街へと到着した。

 今は国から見たら旅人の玄関口って感じの場所。

 武力国家のブキッサと、他2つの関所へと続く場所だ。

 名前は『フリオローシ』らしい。


 まあ今は目的も無いし、酒場で休憩中だ。

 っても私達は昼間から、酒を飲むような事をしない。

 何か面白い話がないか、聞き耳を立ててるだけさね。


「お! おい! 関所が閉鎖したぞ!」


 あらあら? 勢い良く誰が男性が入って来たね?

 関所が閉鎖? どの関所かしら?


「カミッニで何かよくわからん神が現れたらしい!」

「んん? どういう事だ?」

「何か突然現れて、カミッニの王都に宣戦布告した神がいるらしい!」

「はぁ? そいつの名前は?」

「『ウラギラール』って名前の神だ!」

「いやなんだその名前」

「俺も聞きてぇよ!」


 ふむふむ、どうやらカオスの思惑通り……あの馬鹿な神様が暴れたようだね。

 おや? カオスが慌てて来た男性に話しかけにいったさね?


「なあ、カミッニは通れなとして、カイキューナはどうなんだ?」

「あ、ああ……そっちも今は通れないらしいが……まあブキッサとカイキューナは直ぐに通れる様になるんじゃないか? 多分な」

「まあどちらにしろしばらくは足止めかー」


 ふむ、カオスが戻って来たね?

 え? もっと何か聞き出すんじゃないのかい。


「どうやらアンタの読み通りになったね?」

「ああ、これからどうする?」

「えぇ……何かしたい事があったんじゃないの?」

「いやいや? 俺はあの神に力を与えただけだ、欲しいと言ったしな」

「目的も無いのに他人を巻き込むんじゃないよ」

「お前にだけは言われたくねぇぞ?」

「で、もう一度聞くけどさ、これからどうするのさ?」


 ったく、わかってはいたけど面倒くさい事になったさね? 

 まあこれでカミッニが安易に転生や転移してくれて、帰させないムーブすれば私の出番。

 ま、ここはカオスにのっておこう。


「しばらくはギルドの小間使いで日銭を稼ぐか」

「だね、移動するときにギルドの仕事があると、変な疑いがかけられないさね?」

「ああ、全くどこのどいつだろうな? はた迷惑な事しやがって」

「……はぁ、とりあえず今夜の宿を探すよ」

「へーい、とりあえずこの飯食べてからな」

「はいはい」


 さて……カオスは多分気付いていると思うけど。

 私達に殺意を向けているのが何人かいるね?

 その程度で私達を暗殺できるとでも?

 理由はわからないけど……付き合ってあげましょうか。

 って、よく考えたら、これはカオスのお客様じゃないかね?

 多分カミッニの国の人だろう?

 ま、いいか。あらあら?関所が封鎖されたのね?

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