第4話 ~純情~
俺は体育館裏に行って少し驚いた。30~40名ほどのギャラリーが来ている。
柏はタイマンを張る気はなさそうだ。
金属バットとメリケンサック、そして木刀を持った生徒がいる。
所詮3人位敵ではないのだが。武器に頼ってる時点でダメだ。
柏は俺を見ると安心したかのように言った。
「今日はちゃんと来たんだな。逃げたと思ったぜ」
「時間指定までして逃げるわけないでしょう。それにしてもなんですか?その物騒な3人組は?」
柏は挑発に乗せられたようでちょっとムカッとしていた。
「俺が相手するまでもね~と思ってな、配下3人でお前をボコる事にした。お前如きザコには俺が出る幕はねーんだよ」
いかにもザコっぽい台詞を吐いた。これはフラグになる事を分かっちゃいない。
「かかってこいよ。いつでもいいぜ」
俺は3人を挑発する。すると3人一斉に攻撃してきた。
「ナメた口聞いてんじゃねーぞ1年坊主が~」金属バットの男がそう言って金属バットを振り下ろしてきた。
俺はスッと交わすと顔面に思い切りパンチを打ち込んだ。2mくらい吹き飛んだ。
エッ!と思わせる表情の残り2人にもすかさず切り込んだ。
「メリケンサックなんて素人の考えなんだよ!」
俺はそういうとメリケンの男に思い切りボディブローを喰らわせ腹を膝蹴りした。
メリケンの男は蹲った。
警戒してなかった木刀の男に背後から1撃背中に貰ったが特に問題はない。
「何っ! 効いてないだと!」
「次はお前の番だな。容赦しねえぞコラ!」
そういうと木刀の男は逃げていった。
「柏さんよ~配下は全滅したようだぜ。どうする? 逃げるか?」
俺は柏にそういった。
「これからが本番じゃねえか。今のは遊びに過ぎない」
柏が少しあせったように言った。
「じゃあかかってこいよ! その自信過剰な性格ここで叩き潰してやんよ」
俺の挑発に柏は顔を赤くして突っ込んでくる。
柏は大柄だ。その分パンチのスピードも遅かった。
昨日戦った小柳にも劣るだろう。所詮は素人だ。
柏は何度もパンチとキックを放ってきた。
だが俺には当たらない。
「おいぉい! でかい事言ってたわりには大したことないな」
「調子にのってんじゃね~ぞピンク!」
そう言って間合いを近づけてきて俺の顔面にパンチを繰り出した。
ちょっと当たってやるか。
そういうと柏の拳は俺の顔面を捉え頬を殴られてやった。
所が俺は首を少しかしげた位で吹っ飛ばなかった。
「何っ!」
柏は驚いたような表情を見せた。お得意の喧嘩でここまで実力差がハッキリしてるのだ。
「じゃあ次俺の番な」
冷静にそういうと柏の腹に思いっきりボディブローをかました。
ヴォエッと柏が蹲る。
そして顔面に思いっきりアッパーを繰り出すと柏は少し中に浮いた。
それでも攻撃を辞めず柏の顔面にパンチを振り下ろし地面に叩きつけた。
そしてマウントポジションを取って顔面を殴り続けた。
もう総合格闘技のような光景だ。
「気絶しなかっただけたいしたもんだな」
俺がそういうと、マウントポジションのまま顔面を殴り続ける。
周りのギャラリーがざわめき出す。まさかこのような展開誰も予想してなかっただろう。
俺はちょっとハイになってきた。
そのまま顔面を殴り続けると拳を痛めそうなので立って柏の腹や顔面に何度も蹴りを入れた。
実力は圧倒的に俺が上だった。
「もう俺の負けだ。勘弁してくれ」
柏がそういったが、止める事無く蹴り続け、顔面にパンチを何度も繰り返しボコボコにした。
しばらくすると柏は動かなくなった。
気絶したのだろう。
あゆと佐伯が近づいてきてあゆが言った。
「もういいって勝負はついたんだからもう辞めにしてやってよ」
俺はちょっと冷静に戻り近くの蛇口からバケツに水を汲んで柏にかけた。
すると柏は目が覚めたようでこう言って来た。
「俺の負けだ。すまない。もうお前にはちょっかい出さない。名前だけでも教えてくれないか?」
「相手にならないな。もっと強くなってから俺の元へ来い。俺は1年2組の尾崎真吾だ」
そうして俺は提案した。
「お前俺に負けたんだから鬼没とやらは俺の傘下な。頭は引き続きお前でいいよ。文句あるか?」
「わかった。お前の傘下に入ろう。ここまで無残に負けたんだからな。頭としてしょうがない。でも俺を倒したから他の族にも目付けられるぞ。そこんとこだけ覚悟しとくといい」
「誰が来ても素人相手に俺は負けね~よ。他に族って何があるんだ?ちなみにお前の配下何人位?」
柏はボコボコになった顔で答える。
「他の暴走族は
俺は暴走族の知識なんて知らなかった。前の世界では無縁だったし。
「じゃあ柏、お前は今日から俺の事を『さん』付けで呼べ」
年齢差はあっても役職には上下関係があるのが社会のモットーだ。
「尾崎さん、失礼な数々申し訳なかった。出来る事があれば俺達を頼ってくれ。一応この街でも俺は有名だし何かの役に立てるかもしれない。じゃあ俺は失礼するよ。」
そう言って仲間に抱えられながらもその場を後にしていった。
「お前出鱈目な強さだな。どこでそんな技術磨いたん?」
佐伯が言って来た。
「それは秘密。もっと仲良くなれたら教えてやらんでもないがな」
あゆも話しかけて来た。
「本当に勝つとは思わなかった。真吾絶対ボコボコにされるとおもってたもん」
「俺を舐めてもらっては困る、今後お前らも俺への態度を改めるように!」
「バッカじゃん! 柏を倒したくらいで何調子こいてんの?」
「お前俺が負けると思ってたんだろ。態度くらい見直せ!」
あゆが怒ったように言い続ける。
「絶対負けるとは思ってなかったんだからね。ワンチャンあるって言ってたし。所でワンチャンって何?犬が関係あるの?」
「ワンチャンとは「One Chance」の略語だよ。まだ流行ってねーし馬鹿のお前らには英語分かるとは思えないけどな」
「へ~One Chanceを略してワンチャンか。面白いじゃん」
佐伯は言った。分かってるんだろうか?多分伝わってないな。
そんな会話をしてると教師達がやってきた。
「お前らこんな所で何してるんだ。悪巧みしてるならまとめて停学にするぞ」
担任教師がいう。
「尾崎、どうせお前だろう。何があったか言え。穏便に済ませるように言っといてやるから」
「俺は何もしてませんよ。みんなでコミュニケーションを深めてただけです。俺が何かやった証拠でもあるんですか?」
先生はしかめっ面になった。
「まぁ今日はいい。絶対に尻尾を掴んでやるからな」
そう言って教師達は退散した。
喧嘩してたなんていうと停学になりかねん。慎重に行動しないとな。と俺は思うのであった。
さてとこの場をどう収めよう。ギャラリーは興奮してるししばらく収まりそうにない。
「おいお前ら、見たいものは観たんだろう? 解散しろ。命令だ」
俺はそういうと周りの奴らは散っていった。
教室の戻るとあゆと佐伯が俺に話しかけてくる。
「お前ら興奮しすぎ。そんな事じゃ彼氏彼女もできねーモテない高校生活を送るぞ」
そういうとあゆが反発した。
「この3日間で10人以上あたしに告白してきたんだからね。あたしはモテモテよ」
「じゃあ彼氏でも作れよ。中にはいいやつがいただろ?」
「どれもこれもダメ。いたって普通なんだもん。普通の男と付き合って面白くないじゃん?」
「じゃあ何ならいいんだよ? 宇宙人? 超能力者? 未来人?」
涼宮ハルヒの好きそうな言葉を返してみた。
「そんな奴らいるわけないじゃん。小学生じゃないのよ。とりあえず普通の男になんて興味はないわ」
俺は続けてこう言う。
「ならギャル男ならいいのか?」
「いいかもしんないけど頭悪そうじゃん」
お前も頭悪そうに見えるのだが・・・・・・言わないでおいた。
「佐伯も彼女作れば? 楽しいんじゃね? 俺には興味無いけど」
「俺別にモテるタイプじゃないから誰か好きな子が出来たら告白するよ」
消極的な事を言っている。
「お前らもういい。帰れよ。いい時間なんだし」
そう言って2人は帰る準備をして帰った。
俺はこのまま勝利の余韻に浸りたく教室でボーッとしていた。
2人が帰ってすぐに塩沢が入ってきた。
「おぅ。どうした?何か忘れ物か?」
塩沢はテレたように顔を赤らめている。
「尾崎君あたしの事考えてくれた?」
忘れてた。塩沢の告白を保留してたのだった。
「3年の柏さんとの喧嘩見ました。とってもかっこよかったです。よければ付き合ってくれませんか?」
なぜか敬語である。
「俺は多分これから狙い続けられる。そんな危ない目に塩沢を巻き込むことは出来ない。俺の彼女となったら真っ先に狙われるだろうしな。今回の告白は嬉しいけど先延ばしさせて安全を確保してからにしてくれ」
「じゃあ待ってたら可能性はあるって事ですね?」
「まぁ~なんとも言えんがおれは純情派なんでね。ホイホイと誰かと付き合うことは出来ない。その代わり俺と対等な男を紹介してやるから」
塩沢はちょっと顔をしかめた。
「尾崎君の代わり? そんなのいないよ」
「まぁお前にピッタリの男が3組にいるんだって、俺と同じ中学出身で顔もイケメンだ。ひょろいけどな。今度紹介してやるよ」
「本当にそれでいいの? 尾崎君さえよければ私はいつまでも待ってるんだけど」
「高校生活は1度しかない。彼氏を作るなら早い方が楽しく過せるだろう?お前も可愛い方なんだし」
そういうと塩沢は顔を赤らめた。
「じゃあそのカッコイイって人紹介して下さい。尾崎君がいうならそれに従います」
部下の女子に同期の男子社員を紹介するような感じになってしまった。
まぁアテはある。中学で仲良かった桐山である。ピンク色の髪してからはあまり関わってこなかったが桐山も美形である。塩沢にはちょうどいいと思った。
「じゃあ俺もう帰るわ。家で待ってる奴たぶんいるだろうし。じゃあな。バイバイ」
そういうと塩沢も「バイバイ♪」って言ってきた。ちょっと可愛い。
そして俺はいつも通りチャリで帰る。
家に帰るとまたもや原と真也がいた。
「お前らな~いつまでうちにいるつもりだ。彼女でも作れよ」
すると真也が口を開いた。
「俺今日可愛い女子の先輩から告白されて付き合うことになったんだよ。いいだろ~。真吾にはまだそんなイベントないだろ?」
「じゃあなんでうちにいるんだよ?」
「恋と友情は別物だろう?真吾の家に来てやってるんだから感謝くらいしてほしいよな~」
そういう問題ではない。
「そういえば鬼没との喧嘩はどうなった?」
突然原が口を挟んできた。
「勝ったよ。ぶっちぎりの圧勝。あれなら真也でもワンチャン勝てるんじゃね?」
真也は笑い転げた。原は続けてこう言った。
「お前鬼没の頭倒したなら狙われ続けるぞ」
「鬼没は俺の傘下にはいったから大丈夫」
「マジで? あの鬼没が真吾の傘下に入ったって?それはマズいな。他の暴走族から喧嘩吹っかけられるぞ」
原は真面目そうにそう言った。
「相手が素人なら俺は負けねえよ」
俺がニヤリと笑ってそう言った。
「それはそうかもしれないけど・・・・・・」
「たまにはゲーセン行こうぜ」
俺はそう言って2人を家から連れ出した。
そして近くのゲーセンに着いた。
「何する? ゲーセンなんて鉄拳か車ゲームくらいしかやる事なくね?」
原はゲームが大好きだ。
「パンチングゲームしようぜ~」
俺は言った。100円で3発殴れるから3人では丁度いい。
「いいじゃん。誰が最強かここで決めようぜ」
真也がやる気満々に言ってきた。
「じゃあパンチングゲームな」
俺が言うと100円を入れて地球に迫り来る惑星を選んだ。これだと3人だとクリア出来まい。
「俺最初にやるわ~観ててくれ度肝抜かしてやる」
原がそう言ってパンチングマシーンに思いっきりパンチをする。
結果183kg。
「ま~こんなもんじゃね。抜かせるもんなら抜かしてみろよ」
原は喧嘩が強かった。それが自信の源だったのだろう。
「じゃあ次俺いくわ~みとき」
真也が思い切りパンチを繰り出した。勢いよくパンチングマシーンが倒された。
結果225kg。
「どうよ。学校最強の座は半端じゃねえだろ」
原はちょっと悔しがっていた。
まぁ体格差があるのでそこはしょうがない。原はキャシャなのだ。それに比べ真也はガッシリした体型だ。
「LOST ONE」
次は俺の出番だ。240kg位だろうと思い思い切り勢いよくパンチをした。
『ガコーン』変な音をしてマシーンが倒れた。
結果271kg。
2人は唖然としていた。
「さすがはボクサーの卵だな。半端ねえよ」
真也が言った。続けて真也がこう言った。
「このパンチを柏は何回も受けてたんだろう。それだけでも柏って奴はすげーわ」
まぁ全力で動かない相手にパンチをする事なんてないんだけどね。っと俺は思った。
「まぁ柏もこの街では有名だけど所詮素人じゃん」
俺はそういうと、「素人でもスゲー強い奴はいるよ。俺らが入ろうとしてる
「そんなに強いなら喧嘩してやらなくもないが今はその理由がない」
と俺は言った。
その後の展開は俺もこの時予想していなかった。
「さぁコインゲームでもするか~」と俺が言うと2人ともお金をコインに交換し
俺はヒマなのでドライビングゲームをしていた。
ゲームなので簡単にドリフトが出来る。これは爽快と思いつつゲームを楽しんだ。
そしてアイスを食ってる俺の元に原と真也がやってきた。
「今日も負けた」
「ゲーセンで負けてるようじゃ本物のスロットは勝てないぞ。ゲーセンは設定が甘くしてあるんだからな」
俺はそういい社会の厳しさを教えてやった。
「そういえば俺PHSもってんのよ。2人にも帰ったら番号教えるわ」
俺はそういうと、うちに帰って2人に電話番号の紙切れを渡した。
「いつの間にPHSもったん?いいな~」
原が言ってくる。原の家は貧乏だったのでPHSなんて夢のまた夢だ。
真也の方はというと。
「俺ポケベル持ってんのよ。なんかあったらベル入れてな」
と言った。正直ポケベルの使い方なんて忘れたけどベル番だけは教えて貰った。
「俺ら明日
と原が誘ってきた。
俺は群れるのが嫌いだし単車もあまり興味がないからと言って断った。
「鬼没なら口を利いてもやらんでもないぞ」
と俺が言うと、「それじゃ真吾の配下じゃん」と真也が言ってきた。
まぁそれもそうなんだが・・・・・・
「俺等誕生日6月だから単車の免許取りに行くんだ」
原が嬉しそうに言った。真也も頷いている。
「別に暴走族に免許は関係なくね?」
俺は言うと「捕まった時面倒くさいじゃん」と真也が言ってきた。
ちょっとはまともなんだなと思った。
そう言ってまたゲームを始めるのだった。
「お前らよくあきねえな。関心するよ」
前の世界では俺も夢中だったが今は楽しいと思えない。
「そういえば桐山って彼女いねーよな?」
俺が質問した。
「いねーんじゃねーのあいつ美形だけど奥手だから」
原はそう答えた。
24時近くまでゲームをして飽きたのか帰ると言って2人は帰って行った。
俺も睡眠は大事なんだけどな~とかおもいつつシャワーを浴びてベッドに横になりすぐ眠った。
翌日の朝3組に行って桐山を待ち伏せた。
始業チャイム5分前になると桐山が現れた。
「おぅ。遅かったな待ってたぞ」
桐山はキョトンとしてこっちを向いた。
「俺は何もしてねーぞ。そもそもお前と喧嘩する理由がない。鬼没の頭に勝った相手に喧嘩を吹っかけるような真似はしないよ」
そういうと。
「ま~待て待て。ちょっといい話があるんだが乗らないか?」
そういうと桐山は顔を歪めた。
「俺は暴走族には入らないぞ」
「そうじゃない。お前に紹介したい女の子がいるんだ。ちょっと聞いてみないか?」
そういうと桐山はポカーンとして。
「俺に彼女? 想像も付かないな」
「放課後俺の教室に来てくれ。後悔はさせん」
俺はそういうと3組の教室を後にした。
2組に戻ると塩沢の元へ行き「放課後ちょっと残っててくれないか。」
と言う。塩沢もワケがわかってないのでポカーンと。
「いいよ。放課後待ってればいいんだよね」
「ちょっと遅くなる可能性もあるが待っててくれ」
俺はそういうと席に着いた。
すぐに先生が来て「来週頭からテストがある。皆復習をしてくるように」そして雑談が始った。
ホームルームはすぐ終り1時限目に入った。
「起立!礼!」それが学級委員長なる俺の仕事だった。
皆が一同に俺の掛け声で礼をするのは悪くないと思った。
しかし2時限目に入る頃には俺は寝ていた。
俺の代わりに号令をかけるのはあゆだった。
4時限目が終わる寸前11時57分に目が覚めた。
「あ~今日もよく寝た」といい担任教師の睨みを受ける、
程なくしてチャイムが鳴り、あゆが近寄ってきて話しかけて来た。
「あなた学級委員長なんだから仕事しなさいよね」
「俺だって寝たくて寝てるわけじゃないんだよ。中学の復習なんて眠くなるんだ」
「それはあたしも同感だけど・・・・・・」
あゆは下を向く。
「というわけで挨拶の方は宜しくな」
「あなた学級委員長でしょ。ちょっとは責任持ちなさいよ」
「じゃあ挨拶は交代制でいんじゃね?」
と提案した。
「それもいい考えかもしれないわね」
あゆはそう答えた。
俺は昼休みクラス全員がいる前で、授業の号令は皆で回す事にする。とりあえずは出席番号順でいきたいと思う。異議のあるやつはいなかった。
5時限目からは出席番号1番の阿部からするようになった。
俺の番が回ってくるのは明日の1時限目だ。起きてられる。そう思いまた寝るのだった。
起きたら5時限目が終わって放課後だ。慌てて3組に行く。
桐山はまだいるようだ。
「ちょっとこいや」そう言って2組へと桐山を連行する。
まだ塩沢は残っていた。
2人を合わせると。
「こいつが3組の桐山だ。見た目には申し分ないと思う。そしてこっちの女の子が塩沢だ。俺も可愛いと思ってる」
2人はキョトーンとすると挨拶を交わした。
「今日からお前ら付き合え。彼氏彼女の関係だ。なんか文句あるか?」
多少強引とは言えカップルを作った。
塩沢は「初めまして塩沢悦子と言います。よろしくお願いします。」
というと桐山も「桐山直人と言います宜しくね」
とたどたどしく挨拶を交わした。
「俺が後見見届け人になってやる。お前ら2人付き合ってみろ」
桐山がテレたように言う。
「いきなり付き合えと言われても何も知らないんだぜ」
「何も知らないほうが新鮮でいいだろう。なんか文句があるのか?」
桐山は諦めたように思えた。
「尾崎君に紹介されたんだもの、悪い人だとは思えないわ。今後とも末永くよろしくお願いします」
塩沢はそう挨拶した。
「お・・・・・・おぅ。宜しくな。まずは家くらい覚えとかなきゃな」
そう言って桐山は塩沢の家に行く事にした。
塩沢はちょっと遅れて俺に耳打ちした。
「尾崎君の事諦めてないんだからね。でもカッコイイ人紹介してくれてありがと」
そう言って桐山のもとへとはしり出して行った。
なんかいい事をしたようでテレくさくなる。
まぁ仲人という奴だ。
そして俺はチャリで家に帰る事にした。
家に帰ると原1人しかいない。
「真也はどうした?」俺が問いかけると、原はすかさず「デートだってさ。羨ましい」と答える。
「お前も学校ではモテてるんだろう?彼女でも作ってうちから出てけ」
そういうと、「何人かからは告られたよ。でも俺のタイプじゃなかったんだ」
なんて贅沢な奴だ。ま~美少年だから言い寄られるのもわかる。
「少しくらいまともに付き合おうとか思う女は居なかったわけ?」
そう言うと、「俺好きな人がいるのよ。でも告白する勇気が無い」
あまりにも意外だった。原は恋愛にとっても前の世界ではイケイケだったのだ。何がこいつを変えたのか。
「真吾こそ柏さんを倒してモテモテなんじゃねえの?」
「喧嘩でモテる程世の中甘くねえよ。お前そんな臆病だったっけ? 男なら振られる覚悟でいけよ」
俺はちょいと説教してやった。
「分かった。俺も明日告白してみるよ。上手くいくかどうかわからないけど。だけど真吾の家には来るからな」
妙な捨て台詞を吐いた。
20時を回った頃真也がうちに来た。
「いやぁ彼女っていいものだな」
「じゃあうちに来るんじゃねーよ」
俺は真也に言った。
「まぁまぁ恋愛と友情は別じゃん?」
「今日は何しに来たのまたゲームしに来たのか?」
「原の家に行ったんだけど留守だったんでここかなと」
察しのいいやつだ。
「今日は
原はあせったように続ける。
「そうそう今日は
「戦力は多いほうが方がいいに決まってるだろ。原と俺が入れば戦力増強になるに違いないぞ。鬼没なんて相手にならねーよ」
真也は盛大にそう言った。
鬼没は俺の傘下とはいえまだ何も指示していないのだった。
「じゃあ行ってくるわ~」
原と真也はそう言って窓から出て行った。
今日は平和だ早く寝よ。そう思ってシャワーを浴びて就寝仕度をしてパジャマに着替えた。
そういえば鬼没の頭って車もってるのかな~。持ってたらどっか遊びに連れてってもらお。そう考えながら眠るのだった。
そして夜中にPHSが鳴る。
信じられない事が起きたのだった。
Coming soon!!
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