4月13日
あわただしい1週間だった。
6日土曜は、関西から友人が来てその接待、翌7日は横浜スタジアムでライブ、8日は有給休暇で友人と東京観光。9日・10日は関西出張、そこから二夜連続で会社関係の飲み会。我ながらよく乗り切ったと思う。
13日は、ゼミの東京メンバーでの飲み会だった。京都の大学を出ているが、東京にも何人かメンバーがいるので、久しぶりに集まろうということになった。
2次会に行こうという話になり、新宿勤務の子に連れられ向かうは、歌舞伎町。きらびやかな電飾に彩られながら、新宿駅から中心部に向かうにつれ、無料案内所の強面のお兄さんに声を掛けられたり、ガールズバーの客引きの若い女の子に声を掛けられたりする。人もかなりいて、まっすぐ歩くことができない。
中でも、いわゆる「トー横」の目の前のガールズバーの客引きの、目鼻立ちが整い、とても可愛い女の子に、「お兄さん面白そう!」と声を掛けられたのには「面白そうってどういう事?」と突っ込みを入れてしまった。足早に立ち去りながら、どんな事情があってここで客引きをしているのだろうかと、その女の子の人生に、少し思いをはせてしまった。
歌舞伎町とは思えない落ち着いたバーで、学生時代の話に花を咲かせ、店を出ると23時。21時ごろに店に入ったころより、混雑具合が増していた。
土曜日とはいえ、普通の飲み屋街であれば、もう街が静かになりゆく時間のはずである。だが歌舞伎町は、夜とは思えない明るさが人々を照らし、ビルは賑やかな声を乱反射していた。
なるほど、ある種の中毒性があり、居場所のない人々が寄り付いてしまうわけである。そして、自分も実はそんな世界と紙一重なのではないかと思わされた。
帰途につくために、新宿駅に向かう。不思議なことに、新宿駅に向かう人波よりも、新宿駅から歌舞伎町に向かう人のほうが、圧倒的に多い。
「ここは終電なんて気にする人たちが来るところじゃないから」
友人が静かにつぶやいたことばに心底納得しながら、山手線に乗った。
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