17話

「ここがお前の家だ。」

「…大きいですね」

「…そう、だな…」

(もう慣れちゃったよ…)

常識からかなりかけ離れたものを短時間で見たのだ。慣れるというよりも麻痺したのだ。

「中に入るぞ。」

「はい!」

ーギィィィィ

「お帰りなさいませ、ランティール当主様!」

「あぁ。」

「あ、あの…」

少し震えた声で、執事がいう。

「その女性は?」

「俺の新たな娘だ。ノイラとゆう」

ーオォ!

周囲に歓声がでる。

「お、お嬢様様!?失礼しました!!」

「あ、だ、大丈夫です」

怒られることに恐怖し、力いっぱい笑う。

「はう!」

ーバタッ

その後も数人倒れた。

「か、可愛い〜!!」

(???)

辺りを見回しても美しい人はいない。

「誰のことですか?」

「お嬢様に決まっています!」

ノイラの顔がみるみる赤くなる。

(初めて褒められた。)

照れながら、でも喜びながらぺこりとお礼をした。

「キャアぁ!」

10人ほどたおれたが、ノイラは大公に連れられて中に入った。

(どんな良いことがあるのかな?でも…やっぱり怖いな。)

そんな期待と不安を胸に、案内された場所に向かう。

ー20分後

「ここがお前の部屋だ。」

「…可愛い」

思わず言ってしまったことを思い出して口を覆う。

「よかった」

「しばらくここにいなさい」

(???)

よく分からないまま、部屋のソファに座る。

(色んなことかまあったなぁ)

泉に行く前に怒られたのが数年前に感じる。

(ちょっと…疲れたなぁ。)

そう言ってノイラは睡魔に誘われ、寝た。

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