第13話

ーカランカラン

「いらっしゃいませ」

「こいつの服を頼む」

「かしこまりました」

「あ、あの…」

少し怯えているルークを男はなだめる。

「大丈夫だ。信用してもいい。」

「…はい。」

「それではまず入浴から致しましょう」

「え?」

「ではこちらに。大公閣下はあちらでお待ちになっていただけてもよろしいでしょうか」

「あぁ」

「ではお嬢様、入浴しましょう。」

ー数十分後

「もうお嫁に行けない〜///」

「あら、おまささんですね」

そう言いながらルークの頭を洗う。

「あら?」

「あらあらまあ」

やけにうっとりした声でため息を吐く音をルークはキョトンとした感じで聞く

「どういうことでしょうか?」

「あら、知らないのですね。お嬢様の髪は頑張って洗っていくととても綺麗な銀になるのですよ。なのでその濃い紺の瞳がとても映えているのです」

「え?私は黒の目じゃ…」

「何をおっしゃっているのですか?あなたはこの国で2番目の尊い位。"大公"の位じゃないですか」

ーバシャッ

「お嬢様!?鏡の前でどうしたのですか??」

「黒が紺に…なってる?」

ルークはようやく男に引き取られた理由を理解した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る