魔王様はどこにいる?

 あー。

 勇者になりたいか。

 はあ。

 ご両親のご職業は?

 はあ。農民かい。

 次男坊かな?

 あー。

 あのな。

 町の住人は冒険者に「非好意的」だ。

 町には「貴族」がいるんだよ。

 次男坊、3男坊は「ドラ息子」だ。

 町娘は怯えてる。

 冒険者は畑を持てない2人目以降。

 一生結婚が出来ないのが嫌で故郷を飛び出した。

 まあ、9割9分がこれでな。

 あー。そうかい。

 男爵家や伯爵家のドラ息子どもと同類なのか。

 うん。

 冒険者が出て来て、もう何年だと思ってる。

 親から子に伝わってるんだよ。

 分かるか?

 町人からすれば、お前たちが「モンスター」なんだ。

 剣を持ってるしな。

 いやー。俺か。

 俺は魔物使いなんだよ。

 冒険者の店を構えるってのはそういうことだ。

 冒険者の店に行かなければ平気。

 町娘たちは情報共有をしている。

 依頼があったら近所の男に頼もう。

 へー。

 冒険者の店に1人で行って来た?

 勇気があるのね。見直しちゃった。

 ただの幼馴染だと思ってたのに。

 意外とたくましいんだなー。アイツ。

 うん。

 お前らって「当て馬」なの。

 控えめに言っても「よそ者」なの。

 町には大金持ちの「貴族」がいるの。

 中には穏やかな人格者の「当たり」もいるの。

 泥臭く魔物退治で稼いだ成り上がり?

 こんなのと結婚したら「金目当て」と思われるの。

 同じ金目当てなら、代々の貴族と結婚した方が「賢い」の。

 町人同士で結婚すれば「純愛」なの。

 旦那に捨てられなくて済むの。

 お分かりか? 剣士Aくん。

 高嶺の花なんだよ。あの地区に住んでる普通のあの子。

 お前たちは「底辺」なんだ。

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