空と海のエルヴィーネ

藍瀬なゆる

第一章 過去を辿る航海

プロローグ

 私は知らなかった。

 空の色も、海の色も、夜空の色も。どれも始めて見る景色のように思えた。

 けれど、それは全て偽りの私が見た景色に過ぎなかったのだ。


 目の前に広がる色を失くした世界は私が真実を知りたいと思わなければ壊れることがなかったのかもしれない。

 もう、私には何もない。

 どんなに嘆いても、悔やんでも、今更、全てが遅いのだ。


 もしも、最初から全てやり直せるのなら、私は……

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