第37話 読者モデルの愛良
「お前……ここまで気に入らなかったのか……」
麗華さんがこんなことを言うほど、僕は中身を変えてやったんだ。
二ノ宮が考えた話は、綺麗事だ。
設定のわりには、『桜』も生かされてなかったし、雫の立ち位置が不完全なものだ。
だから、僕は雫を最重要人物の『鍵』にした。
「アーリャの不自然なハッピーエンドが気に食わないんだろ?」
見抜かれてる。そうなんだよなぁ……。何かつじつまが合ってない。
僕は物凄い勢いで、タブレットに保存してあった残りの話を書き換えていった。
この勢いで、サイトに挙げてる分も気になるところを直した。
全部終えて、麗子さんに見てもらった。
「フ~~ン、良くまとめたな。夢オチも無しにしたか。最後のリツイートが、タケルに出来る最後の警告という訳か」
分かってもらえた。
麗子さんが、シナリオ書きのアプリをダウンロードしてくれた。
「縦書きに慣れろよ。三行下げてト書きを書くんだ。取り合えず好きに書いてみろ」
ずっと、タブレットに繋いだキーボードを打っていたから、外が暗くなっている事にも気が付かなかった。
「ただいま」
二ノ宮の声がした。僕は一瞬身構えた。退院して来たのかな?
大幅な改稿を怒るのかな?
現われたのは、愛良だった。さすがに双子というだけあって、声が似てる。でも、身長が百六十五センチの愛良と百五十五センチの二ノ宮ではどう見ても、姉妹にか見えない。
「あら、真生。まだいたの? 外が暗くなってるわよ」
「もうちょっと!!」
僕は、乗って来た所なので、キーボードを放したくなかった。
「海龍寺家には、私から電話しといた。家で飯も食ってけ」
「でも……」
「勢い付いてる時に、やった方が良い。10時に迎えが来るそうだ」
麗子さんの申し出が有難かった。
そうしたら、横から愛良が、
「これだから、海龍寺のお坊ちゃまは……」
「愛良だって、三条家のお嬢じゃん!!」
「そこは、ママの実家」
そういうこと?
「愛良、遅いんだな。確か、部活はやってないんじゃなかったっけ?」
「今日は、撮影が長引いたの」
僕は、キーボードから顔を上げた。
「撮影?」
「私、ファッション雑誌の読者モデルなの」
へ!!?
確かに、すらりとしたスタイルの愛良だが……
「中等科では校則が厳しくて出来なかったけど、高校生になったかから解禁したの。専属の話もあったけど、まずは読モからって、パパが言うから」
愛良が読者モデルなんて聞いてないぞ!!
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