レベル10 主張を繰り広げる。意味もなく

 うむっ。


 結論から言っておこう。……そうだな。大方の予想通りに俺は死んだ。逝った。


 なんというか、普通に死んだ。いやいや、普通というのは、いくらか語弊があるか。タンクで耐久度がMAXな俺だったのだが、口撃に弱かった。つまり精神的に追い詰められて死んだ、と言ってしまえば、それこそ、ありふれたオチだな。


 無論、俺はモブキングを目指す男だから、ありふれた死こそが相応しいのだが。


 ギャグ漫画のような死は似合わない。いや、似合ってはならない。のだ。わよ。


 しかし。


 歯科医。


 どうやら、この世界の神は、それでは納得出来なかったようだ。


 だからこそ、精神攻撃など、ものともしなかった。タンク度MAXな俺はメンタルも、また強靱だったわけだ。などと考えているとエミネムのラップが聞こえてくる。MAM、MAM、言っている。ハムなら、とことこハム太郎なんだがな。


 とにかくだ。あの含語〔くくみことば〕という入力ミスが功を奏してしまった。


 いや、むしろ悪即斬な失敗。


 なんともはや復活の呪文を入力した際、わざとミスしたのが、それこそ大きなミステイクとなった。基本、生き返りたくなどない俺。むしろ安らかに逝きたい俺。負の連鎖ともいえる復活しては死ぬという悪の輪廻転生から解脱したい俺。


 だがしかし、それを許さない因果律が見事に生まれる因果応報。


 おやや?


 今度は、ソナーポケットか。


 本当に本当に、ありがとう、とか言っている。貴方に貴方に会う度にとか続く。


 うむむ。


 結論から語ろうなどと言っておきながらも、なんとも玉虫色な回答じゃないか。


 記憶に、ごじゃりませぬ、などと、のたまう政治家君ではないか。これじゃな。


 まあ、どちらにしろモブキングを目指す俺はメジャーに入団して二刀流を披露した後、この枕を選びましたと言って寝てしまうようなもんだ。無論、グラウンドの、ど真ん中に布団を敷いて熟睡したフリをする迷惑系ユーチューバーだな。


 へずまりゅうだ。まあ、あいつは消えて正解だろうな。マジで。


 あのまま、迷惑系を、ずっと続けていたら、多分、自業自得で死ぬ。どんな事が起こるのか、それは分からないが、この世は因果応報の理で動いているのだ。だとするならば行き着く先は死。無論、死んでは生き返るという俺の因果律も……、


 因果応報に縛られている。少なくとも何らかの原因が在る事は間違いないのだ。


 だからこそ敢えてキツい事を言わせてもらう。へずまりゅうを始めとした迷惑系と名乗る輩は本当に、いい加減にしておいた方が身の為だ。それこそモブキングを目指していたら勇者なんてものに転生させられ続ける俺のようにもなるぞ?


 いいのか。本当に良いのか?


 俺のようにだ。思わずモブキングを目指したくなるほどの苦痛が待っているぞ?


 夢幻で無限ループに陥った俺のようにもな。


 というか。なんで、俺は、今、熱い青年の主張をしているんだ?


 別に、へずまりゅうとか、どうでもいい。むしろバイバイ・サンキューでしかない。柄にもなく心配するなんて、それこそ天地開闢級の日章旗だぜ。あっちにフラフラ、こっちにフラフラ、内ゲバ大好きな小林のよしりんだぜ。これじゃ。


 いや、まあ、西部邁〔にしべ・すすむ〕は、いい面の皮だったな。ご愁傷様だ。


 本当に。


 まあ、話を俺が死んだ理由〔弱点〕に戻す。


 とにかく、とんかつ、飛んで飛んで飛んで回って回って回って、な俺は死んだ。


 それは、つまり、バランスを崩したからだ。


 この世は三元論で回っていると結論づけた俺の言論など聞きはしない阿呆ども。


 よく聞け。ここに真実などない。正解もない。むしろ在るのは愛だけだ。愛だ。


 愛だぜ。


 愛ッ!?


 その愛が暴走した果てに俺は死んだわけだ。


 いや、もっと正確に言えば性格に問題があったのだ。性格にな。


 耐久力がカンストしたからこそ面白くなってしまって、ある種の快感を覚えてしまい、謎の魔王からの攻撃を受けまくった。もちろん精神攻撃も含めて受けまくった。ああ、もっと。もっとイジメて、と。つまり、どM化してしまったんだ。


 しかも謎の魔王も、どSだったらしく、面白くなったのか攻撃しまくってきた。


 お互い。


 新たな世界の扉が開いてしまったわけだな。


 そして。


 究極の快感を得る為、己で己の首を絞めて謎の魔王の攻撃を受けた続けたのだ。


 もっと。もっと。もっと。イジメてぇ~と。


 ええのんか。ここがええのんか、と、アハハでウフフで、キャハになったのだ。


 ジョン。


 快感のとりこになってしまったんだ。互い、どMとどSなんだから仕方がない。


 そうして、俺は謎の魔王から攻撃と口撃によって究極の快感を得た。つまり、死んでしまったという事だ。死が究極の快感と不思議に思ったヤツは神さまにでも聞いてこい。死を迎える瞬間の、あり得ないほどの快感が、どんなものかをな。


 もちろん自殺なんて考えるなよ? その快感を得たい、知りたいと願ってもな。


 無駄だ。


 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!


 ダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムダムッ!


 タムタムタムタムタムタムタムタムタムタムタムタムタムタムタムタム田村麿。


 遺影ッ!


 自殺ではソレは味わえないと分かっているんだからな。自殺というものは大きな後悔を伴う。そして自殺は逃げでしかない。そんなものが原因の死に快楽など伴うと思うか。さっきの話じゃないが、因果応報の因果律に従えばだ。うむっ。


 むしろ俺のようになるぞ。また生き返り無意味で苦痛を伴う生を生きる事にな。


 まあ、どちらにしろ、俺の知った事ではないが、自殺だけは、おすすめしない。


 それだけだ。と、ちょっと語りすぎたな。疲れてきたぞ。謎の主張ばかりでな。


 というわけで今回は、ここまでにしようか。


 遺影ッ!

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