レベル06 ラノベと文学

 本当の自分の姿が、少しずつぼやける。


 ウソや言い訳、ジョークになるほど空しさに恐くなるよ。


 などど浜崎あゆみ的な世界観で達観してみたが、それこそジョークな世界だぜ?


 この転生し続けるモブキングな俺の世界はな。無論、真っ白インで黒猫のタンゴを踊って魅せてもニュータンにはなれない。むしろニュータウンを作り、職場に出勤だ。思うのだが、神が作った別の世界線でのお話、ななしのかかしは……、


 まさに、こんな感じの虚しくも悲しい世界で生きていたんだろうとさえ思うぞ。


 やつらの世界は純文学のそれで、それを其れとか、おされに書いていたからな。


 遺影ッ!


 奈々香?


 僕は君との約束を守るよ。守り続けるよ。たとえ、この身が朽ち果てようとも。


 其れが僕の生きる意味だ。其れが僕が立ち続ける意味だ。


 護られない約束は約束じゃないんだ。だから僕はね……。


 ジョン。


 俺には無理だな。むしろ全力で約束を破ってクラッチングスタートで星になる。


 うむっ!


 格好よく生きると言い、それでも常に格好悪い生き方を強いられた葦田天だぜ?


 猫が走る。生きる為。いや、むしろ生きているからこそ。


「ビチ。復活の呪文を入力してくれさね」


 まあ、こいつのコレも、もう慣れたもんだ。入力にもな。


 うむむ。


 はて、どうしようか。……今度は、どんな呪文を入力してやろうか。そうだな。


 オッケ。


 オッケ。


 オッケだぜ? 決まったぜ? 最高にホットで熱いスイミングなリリックがな。


 詛咒通常都是一種使他人不幸的预言或许愿。除语句外有时诅咒也伴随有手势。有時候是希望一些超自然力量使他人受到任何形式的損害。也是一种针对他人的言语性报复。在最早的时候诅咒是一种魔术仪式。目的是用它来给一个人或者一个地方带来灾害。诅咒的原因往往是愤怒或者报复或者希望惩罚被诅咒的人或者地方。


 被诅咒的人不必在场。也不必知道他被诅咒了。……だぜ?


 もちろん、俺自身も何を考えているのか分からない。意味不明だが恐いだろう?


 なんとうか、アレだ。ヤフー知恵袋で呪いの文言を募集してみたんだが、ワガ〔自分〕でやれと回答があってだな。それでも思いつかないからウィキペディアからひっぱてきただけの話だ。もちろん、真っ白インだからこそ出来た。遺影ッ!


 元いた世界、そして、転生し続ける世界にはネットなどという便利なものは無い。


 そうだな。まあ、兎人参化とエネルについても悟空とルフィが転生した先の世界にもいたという事だろう。いや、むしろ、俺の話を聞いてくれるヤツらの世界での漫画のキャラクターだから、逆に、実際的に居た事は羨ましがれるポイントだ。


 ただし、悟空もルフィも本人には会えず、敵に会っただけの話だがな。遺影ッ!


 兎に角。


 謎言語というか、謎の呪詛を頭の中に思い浮かべた俺は、再び、体が光り出す。


 生き返るのだ。新たな体を求めてな。転生する。ほへっ!


 それは、どんな世界なのかと不覚にもワクワクした。それが、あんな世界などとは露ほどにも思わず。まあ、アレだ。ラノベと文学の、どっちが優れているのかという不毛な論争に終止符を打つような世界なわけだ。阿呆な妄想的な世界。


 ジョン。


「今度は、一体、どんな世界で、どんな体なんさね。もしかして、今度こそ私ら求めるビチになってくれれば嬉しいのだけども。ねぇ? ジョンドット五世」


「うむっ」


 ズズという液体をすする音が聞こえる。


「今度は24トニックさね。今のビチにはピッタリなブツ」


 と香恋こと、さね魔人が微笑む。多分な。俺からは姿は見えないから。ジョン。


「うむ。香恋。モブキングを目指しているからこそ死にたいと言いながらも蘇ってくれるビチへ贈るカクテル言葉だな。死屍累々も真っ青な転生物語だからな」


「そうさね。ジョンドット五世。前世は僧侶のあんたが居たからこその転生物語さね。無論、悪即斬な精神と心技体を併せ持つ、あんたが居たからこそのさね」


「うむっ」


 またズズという音を立てて24カクテルをすすったジョンドット五世。多分な。


 そして生き返る。俺はな。


 吾輩は猫である。遺影ッ!


 越後の春日を経て今津へ出る道を、珍しい旅人の一群が歩いている。山の手線に跳ね飛ばされて怪我をした、その後養生に、一人で但馬の城崎温泉へ出掛けた。後の月という時分が来ると、どうも思わずにはいられない。幼い訳とは思うが、


 何分にも忘れることができない。おろ。なんだ、この世界観。ラノベじゃない?


 ラノベじゃない。なんだ?


 なによ?


 だわよ?


 武蔵野の俤は今わずかに入間郡の残れりと自分は文政年間に出来た地図で見た事がある。私は、その男の写真を三葉、見たことがある、一葉は、その男の、幼児時代、とでも言うべきであろうか、てか、なんだ。なんなんだよ。この世界。


 遺影ッ!


 が虚しく、ジョンと誤魔化す事も出来ない。あ、あ、頭が破裂する。ぐおおッ。


 それこそ、この謎文言とも言える目の前で繰り広げられる大麻的妄想はラノベじゃない。勇者は死にましたの世界じゃない。或日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。広い門の下にはこの男の外に誰もいない。


 唯、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門だぞ。


 羅生門。


 ナルトでの口寄せ・羅生門ぢゃないぞ。まさに羅生門だ。芥川の龍之介くんの。


 うおお。


 不肖、勇者は死にましたのビチ・モブキングは文学の世界に迷い込んだようだ。


「ビチ、じゃ、その世界での、あんたを表現してみてさね」


 俺は大麻的妄想を跳ね飛ばす為、自分の妄想を爆発させてみる。一気に逝くぜ?


 思うのだ。君は、どうして、そんなにも孤独と闇を、一切合切、抱え込んでいるのかと。思うのだ。僕は、どうして、生きる為に死に、そして死ぬ為に生きるか。思うのだ。そうして二人は光と闇を背負い、そして、この世の果てへと行く。


 それは、まるで川の中へと身を沈めて、その身を消し去るが如くなのだと……。


 思うのだ。暗き川底で……、と、やってられるかボケッ!


 俺はな。


 俺はな。


 俺様というモブキングはだな。ただでさえ死んでも安らかに死なせてもらえず、生き返るを繰り返しているのに、この上、無い脳を酷使して文学の世界を表現しろだと。それこそ森鴎外や国木田独歩、そして島崎藤村にでも任せておけ。


 俺は、しまぶーな世界の方が好きなんだよ。きむもーとか、たけスィーとかな。


 志賀直哉は、すわ死んだ、なのだ、モブキングとしては。


 遺影ッ!


「うむむ。ビチの野郎。どうも、この世界においても、その存在は発揮できそうさね。ただ、どうしても順応できないようさね。でしょ? ジョンドット五世」


「うむ。知力は申し分ない。が、いささか順応力が足りないようだな。よかろう」


 ジョン!


 うむっ。


 このジョンは俺のジョンじゃない。ジョンドット五世から贈り物的なジョンだ。


 死ぬもんかッ。死なん。多分、そういう意味のジョンだ。


 死ねと。


 そして、またやり直せとな。だろうが?


 奥歯を噛みしめ、必死で死なんぞと踏ん張ってみせる。雪が散り、その雪間から芽を吹き出す、ふきのとうが微笑むが如く。温かい日の光を、その身に受け、アルカイックを表現する、かの如く。その母親が、また微笑むかの如く。色即是空。


 空即是色と笑い続ける菩薩の如く……。


 思うのだ。思うのだ。思うのだ。とだ。


 吾輩は猫であると誰かが言った。誰なのかは分からない。もちろん、猫である事は分かる。分かるのだが、猫がしゃべるのかという疑問が残る。その残滓はサイコメトリーという欧米の価値観で言う才覚の知覚を使って掬い取ってみせる。


 微かに重箱の隅に残る残滓を。ジョン!


 うおお。


 頭が爆発する。脳がビルになってビルゲイツではないベガパンクだ。畏敬だッ!


 チーン。


 モブキングは死にました。そして、お気の毒ですが冒険の書も消えました、だ。


 ディディディディティディーディだぜ?


 スペランカーの方が好きだがな。予想外の事が起こった時の音楽はな。遺影ッ!


 そして、


 お約束の如くも真っ白インへと戻った。


 俺はな。


 だがな。


 ククク。


 冒険の書は消えたゾ。消えたんだゾ? さあ、ここからどうする? 阿呆ども。


 遺影ッ!

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