第3話 貫くものと鋼鉄の鴉―1

時間のほんの少しばかり遡る。

時刻は16:00。

学校から繁華街へと移動し、その中のモール街に

ミカサとマキナは歩いていた。

学校からは少し距離はあったが途中、コンビニで

中華まんなどを買い食いしていたのもあって

少し寄り道しての到着である。


ミカサ:「え~と・・・レトロ系のCDショップはっと・・・」


スマホを操作してモール街にあるレトロ系のショップの検索を掛けるミカサ。

検索にヒットした該当のお店は2件。

1つはここから近くもう一つはここから少し遠い距離となっている。

マキナにとってのお目当ての品があるかどうかはわからないが候補的には

近場の方が色々取り揃えも良いらしい。


ミカサ:「マキナ。お金は大丈夫?」

マキナ:「問題無い。軍資金はかなりあるがキャッシュレスでないと不味いか?」

ミカサ:「(軍資金―――多分、山田くんの影響ね)現金じゃなくても大丈夫だと思うよ。最近はキャッシュレスも増えてるけどトラブルが起きた時を考えるとある程度持ってる方が何かと良いこともあるし」


内心、思うこともあったが軍資金という言葉をマキナが使うことに特段違和感は

なかったのは恐らく彼女の背景もあるのではないかとミカサは思った。

【アームズレイヴン】という一般的な【レイヴン】のイメージとは異なる人型機械に乗り込む自分と同い年の少女。

彼女がただの学生ではないのはミカサもわかるが彼女自身が何も語らないのもあってかそこが未だミカサの中で引っ掛かっていた。


ミカサ:(今日、語ってくれると思ったんだけども・・・コンプラとかそういうのがあるのかな)


冗談交じりにそう思いながらミカサはマキナの方を見やる。

マキナはミカサのスマホを見ながら場所の把握をしていた様で交互に顔を動かしながら場所の確認をしている。

そして場所を覚えたのか、よし、と小さく声を出しながらミカサに声を掛けながら店の方角へ向かい、移動を始めた。


マキナ:「よし、ミカサ。早く行こう!」

ミカサ:「え、もう大丈夫?場所は?」

マキナ:「まずは近場の方を攻めようと思う。可能性は低いらしいが掘り出し物はどこかにあるとは山田くんも言っていた。兵は神速を貴ぶというコトワザもある。

さあ急ごう!!」

ミカサ:(間違いじゃないけども―――使い方違う気がするんだけどなぁ~・・・・・・)


そう思いながらも既に距離を離されていることに気付くほど早足で移動していたマキナに気付き、慌ててその後を追うミカサ。

そんな彼女を遠目から見る複数の人影があった。


?????B:「――――あの娘がターゲットか」

?????A:「ああ、だが使うのかアレを?」

?????B:「以前の奴らは悠長な手段でやろうとしたから失敗したんだ」

?????A:「とはいえ、あまり騒ぎになるのは―――」

?????B:「そんな甘っちょろいから失敗したんだよ!俺らの名を売るには強引なやり方もすべきなんだよ」

?????A:「―――わかった。待機している連中にも連絡を入れておく・・・」


口論も早々と切り上げ、2人組の男はマキナたちの後を追う様にモール街へと足を

進める。

更にその様子をとあるビルの屋上から遠方から確認していた男が1人いたのだ。


ライアー:「やれやれ――――モロバレだぜ・・・・・・!!」

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