“普通”の終わり、“日常”のはじまり-2

20××年5月。

中学から卒業し、高校生になってから1ヶ月ほど経った。

新しい生活にも慣れてきて徐々に自分のペースとして組み込み始めていく。

春から高校生となった美神ミカサは親元から離れ、1人マンションで住むことに

なったがその新しい暮らしにも慣れてきた。

新生活に関しては不安もあるが期待も同時にあり、どことなくワクワクもある。

こういうと子供っぽく思われるかもしれないがそれは口外しなければ問題ないって

心の中で思っているからこそ存外図太いと思うこともある。


ミカサ:「ヒトは単純な生き物だってどこかで見たか聞いたか忘れたけどもそうかも

しれないね」


登校の準備をしながらミカサは心の中でそう述懐する。

朝食も済ませ、忘れ物もないか確認し、カバンを持って玄関へと足を運ぶ。

そのまま靴を履き、ドアを開けて外へと出た後、カギを掛けてエレベーターへ早々と移動。

エレベーターから降りてマンションの入り口へ出るとミカサはその場で背伸びする。


「ン?」


ふと背伸びしながら視線を移すとそこに引っ越し業者のトラックが駐車していた。

この時期ではそこまで珍しいかと云われると時期が少しズレてると思ったりはする感じか。


ミカサ:(―――転校生とかそんな感じなのかな?)


不思議と気になってたが腕の時計でチラりと見てヤバッ!!とその場を後にする。

その引っ越し業者のトラックの運転席から慌てて学校への道を急ぐミカミを

ミラー越しで見届ける人物たちが居るのを彼女は気付きもしなかった。


?????:「・・・・・・・・・」


高校の1年生の教室。

入学し、新入生としての緊張感もほぐれてきて教室の場は活気に溢れていた。

ミカサのクラスは一言で云えば普通である。

ニュースやドラマやアニメなどではどこかピリピリとかドロドロとか陰湿的なイメージが付きやすい感じであったがミカサのクラスというか学校全体がそんな雰囲気は感じなかった。

無論、全員が全員そうなのかどうかはわからないが少なくとも陰険的な空気は纏ってはいない。

クラス内はみんな最近の話題をワイワイと話し合っており、ミカサも友人らの輪に

入ったりと一般人が抱いている様なイメージではなく、まさしくステレオといった

感じの青春を謳歌している様だ。


?????:「ハーイ、みんな席に着いて~」


予鈴と共にクラスの担任の女性教師が教室に入ると同時に声を掛けてきた。

年齢的には若く、雰囲気的にはミカサらと変わらない様な感じ方を抱かせる教師の卵的な印象である。

彼女はの名前は難波キョウコ。担当科目は歴史の日本史である。


キョウコ:「ホームルームを始める前に今日から皆さんと一緒に勉強する転入生を

ご紹介します~」


入ってきて~、とキョウコが扉の方へと声を掛けると同時にドアが開き、同時にその転入生が教室へとミカサたちの前に姿を現した。

その転入生と奇妙な学生生活を送ることになることを当時のミカサは思いもよらなかった。

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