◆光と闇最後の戦い

「みんな、行くよ!」


 キキはすべての人間たちに呼びかけた。

 こうして、人間と神々の最後の戦いが幕を開けた。


 人間たちは神々に一斉攻撃した。光の魔法使いも闇の魔法使いも、老若男女問わず協力し合った。魔法を使える者だけではない。魔法を使えない者も彼らなりに、槍や斧を使って必死に戦っていた。


 ククとシャドも他の人間たちとともに、闇の巨神に立ち向かう。


「シャド、行くわよ!」

「うん!」


 二人は連携し、お互いの小枝を交わした。

 すると、光と闇のオーラが一つの魔法弾になった。


「よせ! 何をする!」


 闇の巨神は怒って、人間たちを蹴散らそうと巨大な闇の魔法弾を放った。

 しかし、目の前では何人もの人間たちが攻撃を一斉にしかけてくる。一人一人の攻撃はかゆい程度しかない。が、何千人もの攻撃を、しかも一気に食らうと、流石の巨神もあっという間に身動きが取れなくなった。

 その隙を狙い、ククとシャドも心を一つにした。


「はあああっ!」


 二人は同時に小枝を振った。二つで一つの魔法弾が放たれた。

 二つの魔法弾は、風のような速さで進み、闇の魔法弾と激しくぶつかり合った。

 せめぎ合いの末、二つのオーラをまとった魔法弾は、闇の巨神の魔法弾を破壊。

そのまま、闇の巨神の胸を貫いた。


「ぐあああぁぁぁ!!」


 光の風、闇の刃に切り裂かれ、闇の巨神は断末魔を上げた。

 その光景を見たキキは、人間たちに呼びかけた。


「最強の魔法使い一人よりも、最弱の人間千人の方が強い!」


 キキの言葉に鼓舞され、人間たちは光の巨神にも攻撃をしかけた。

 もちろん巨神も黙ってはいなかった。


「裏切り者め、粛清だ!」


 巨神は指を鳴らし、光の雨を降らせた。

 世界中が光で満たされ、すべてが真っ白になった。まぶしい。目を閉じていても、まるで光に焼き尽くされるかのように。


「弱い人間どもが、一つの強い存在に叶うわけがない」


 光の巨神は、ボロボロになったみじめな人間たちを嘲笑した。

 それでも人間たちは、雨に打たれながらも必死に攻撃を続けたが、何千人もの一斉攻撃を受けても、光の巨神は弱体化せず、むしろ雨を更に強めた。

 しかし、人間たちは諦めるどころか逆に戦意と連携を固めた。それぞれの武器や魔法で光の巨神を拘束して、なんとか行動不能にすることに成功した。


 それを目にした仲間たちは、キキに声をかけた。


「負けるな、キキ!」

「俺たちがいるじゃないか!」


 カカとケケが言った。


「頑張って! 諦めないで!」

「全員で力を合わせれば必ず、勝てる!」


 ココとドドが言った。

 後から、ククとシャドも駆けつけてきた。


「ボクたちもいるよ!」

「キキ、最後の魔法よ!」


 ククとシャドは息を合わせ、小枝を一振りした。二人に魔法をかけられ、キキは光と闇のオーラをまとった。


「きさま、裏切り者め!」


 光の巨神は怒って攻撃した。しかし今、キキの剣は二つのオーラをまとっていた。


「はぁぁあああ!!!」


 キキは剣を振るった。

 光と闇、聖なるオーラと邪悪なオーラを同時に宿したその剣は、光の巨神の胸をも貫いた。

 二つのオーラが入り混じる世界の中に、巨神はただ、静かに溶けては、消えていった。


 数千人との共闘の末、キキ、クク、シャド、他すべての人間たちは神々との戦いに勝利したのだった。

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