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 変なことを言わないように気を付けていた。


 けれど、リンネイが何度も元気ないのどうしたのって聞いてきて。


 ついにわたしは、思慮不足でリンネイを傷つけてしまった。


 リンネイが言ってくれたことで色々考えたの、と言ってしまった。


 リンネイがどう受け取ったかは分からない。


 でも、わたしが泣きそうなのがリンネイの所為だ、と言われたも同然だ。


 一番言ってはいけない人に言ってしまったという後悔に襲われた。


 わたしはリンネイの友達で居る資格はあるのか?


 でも、リンネイと関わらなくなったら、それはそれで彼女を傷つけてしまう。


 ならわたしは、


 何も知らなかったことにしよう。


 リンネイの前でも平然として居よう。


 そうでなきゃ、また口を滑らすから。

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