超巨大墓地

このインターンが終わって帰ったら、祖母の初盆だ。


新幹線で東京に向かいながら、ぼんやりと横に滑る景色を眺める。


祖母は結局少し遠いところのお墓に入ったんだっけ。


こんなに都心に人があふれているのに、お墓が全然ないのは不思議だ。


もし数十年後にお墓が足りなくなったら、東京にでっかい倉庫みたいな立体の墓地を作るのはどうだろう。


日々無くなっていく命を一心に受け止め続ける巨大な墓地だ。


墓地を運営するのは生者たち。まるで亡者のカプセルホテルのような。


品川を通り過ぎ、新幹線をホームで待つ人々が後ろに流れていく。


生者を後ろに見送りながら東京駅に向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る