夜中

いつもと変わらず、夜中まで友人とゲームにのめり込んでいた。

ふとトイレに行きたくなり席を立ち、部屋の扉を開けるとそこには真っ暗闇が広がっている。

引っ越して1年と少し、大体の感覚はつかめていたので電気をつけずにそのまま部屋を出てトイレに向かう。たった数歩か数十歩の話だ。

しかし今日はどうにも調子が悪いのか、なかなかトイレの扉に辿り着けない。

手探りでドアノブをまさぐり、手が空を切る。

ひんやりと冷たいノブが手にあたり、やっとのことでノブをひねる。


ガチャリ


湿気、におい、音の反響が明らかにトイレではなかった。

どきりとしながら慌てて扉を閉める。


結果的にはなんてことなく、隣の部屋の洗面所の扉を開けてしまっていたのだ。

納得しながら用を足し、物思いにふける。


もしかしたらこういった拍子で異次元に行ってしまうのかもな...


すっきりしたら来た道を戻り、仲間に声をかけてゲームを続けた。

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