第30話
やっとの思いで奇妙なオタク少女を引き離すアルカンタラ。
「はっ! す、すみませぬ。つい興奮してしまいまして……ワタクシ、ソーサー様絡みのモノを見るとつい……」
メガネ少女は冷静を取り戻し2人にペコリと頭を下げる。興奮すると我を忘れて暴走してしまうようだ。
「……恐ろしいガキめ……」
少女は自己紹介をした。
名前はポピー、このボアモルチで生まれ育った15歳ということだ。
アルカンタラ達の3歳年下。
そして、何よりも勇者パーティー、特に勇者ソーサーの熱狂的ファンのようだ。
「それにしても……『アルカンタラ』さんですか……」
ポピーはアルカンタラをニヤリと見つめる。
「な、なんだよ……」
「ふふふ、アルカンタラさんのご両親……なかなかの勇者ファンのようですなぁ。勇者パーティーの魔法使いアルカンタラ様からとったお名前じゃないですか?」
ポピーはお見通しと言わんばかりにアルカンタラを力強す指を指す。
「お!?」
当然出てきた自分の名前に驚くアルカンタラ。
「ポ、ポピーちゃんは『アルカンタラ』も知ってるの?」
ミルリーフがびっくりして尋ねる。100年前の、それもそれほど有名ではないと思っていた魔法使いアルカンタラを15歳の少女が知っているとは。
「ふふふ、もちろんですよぉ。ソーサー様絡みの情報は全て、つまり勇者パーティーの事も当然文献を読み漁ってます」
ポピーは得意げにメガネをカチリと上げる。
「それにしても……アルカンタラさんのご両親は渋いですねぇ。『ソーサー』でも『ジャッジ』でもなく、まさか知る人ぞ知る『アルカンタラ』を子供につけるとは! 相当ディープな勇者ファンとみました。ゲキ渋なチョイスです!」
ポピーはニヤリと笑う。
「……お、俺って知る人ぞ知る渋いキャラだったのか……」
「ア、アルカンタラ……」
なんとも言えぬ気持ちのアルカンタラだった。
「ま、まあいい、こんなガキ相手にしてる暇はない。行くぞミルリーフ」
「むむ? こんなガキとは失礼ですね。ワタクシ、こう見えてもギルドのことも詳しいですよぉ!」
ポピーはアルカンタラを得意げに見上げる。
「え? そうなのか?」
「ふふふ、お二人とも冒険者になったばかりのようですし、ワタクシがアドバイスをして差し上げます」
こうして自称ギルド通のポピーの講釈が始まった。
◇◇◇作者あとがき◇◇◇
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