俺が本当に欲しかったのは女子高生だった

ぺけらんど

第1話 不幸体質

「アンタ馬鹿じゃないの?」

 突如響く暴言

「えっと...なんでかな...?」

 オフィスのど真ん中で繰り広げられる話し合い。

「私に金もむしり取られて、別れようと思わないの?本当に貴方に頭ってお気楽ね。」

 オフィス内で盛大に言われる悪口

「まぁ、それも今日で終わりだから。清々するわね。」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ...一体どういう事ですか?」

 クスクスと聞こえる笑い声。

「盛大にフラれてやんの」

 バカにされる声もいくつか耳に入る

「別れるって事ですかね?」

「当たり前じゃない。そんな事も分からないの?」

「そうですか。わかりました。今までありがとうございました。」

「それじゃ、馬鹿な鳴君。さようなら」

 そうして彼女はオフィスから出てった

 何もこんな公開処刑みたいにしなくてもいいのに

 まぁ別にこのような事は今始まった事じゃない

 自分は生まれながらにして不幸体質なのだ

 親は交通事故で死んでしまうし。

 学校ではいじめられていた。

 これはいつもの事なのだ

 それでも

「少々、辛い気持ちになるんだなぁ...これが...」

 辛いものは辛いのだ

「まぁ、仕事頑張りますか」

 すぐに立ち直るなんて自分でもお気楽だなと思う

「ちみ、何を仕事をしているのだね」

「ん??」

 突如社長に声をかけられた

 それも普段、いや絶対会社で聞くようなことがない言葉を述べて

「はいぃ?」

「ちみはクビだよ。ほらさっさと去った去った」

「は?」

背後にはさっき俺をフッた女がいた

「そうかい...そうゆう事ですかい。わかりましたよ...去りますよ」

最近不幸が起こってないと思ったらこれかよ...

「ちみは由美ちゃんとのラブオフィスにいらない存在なのだよ」

こんな奴が元カレなんて由美ちゃんが可哀想だとなんだと社長はブツブツと小言を言ってくる

「へいへい分かりましたよ。あっ!あと社長そいつ不倫しまくってるから気おつけた方がいいですよ。」

最後に仕返しを試みる

「それは大丈夫なのだ。全て縁を切らせたからな。そして一生私を大事にすると誓ってくれたのでな。ちみに言われなくても幸せなんだよ。ちみと違って」

どうやら対策済みのようだ。

あの女

「あっ!ちみ、今日の分の仕事はしてってね」

そう言って追加の仕事を渡してくる

今日の分って...残業確定か

「あぁ...不幸だ」


トボトボと歩いて帰る帰り道

もう午前3時と時間はなっている

良く考えればあの仕事やんなくても良かったのでは...?

などと考えながら歩くと

財布を見つけた

交番に届けた

財布の中身を取っちまおうかち考えたが

俺には無理だった

「ねぇおじさん」

ふと、声がかかった

振り向くとそこには女子高生がたっていた

「今夜、泊めて貰えませんか」

「はぁ...!?」

「やっぱ驚くよね~。もしかして嬉しすぎちゃった?」

「君...!」

肩を掴む

「ふぇ?」

突然掴まれて情けない声を出す

「こんな時間になにやってるんだぁ!!!」

激怒した。

メロスは激怒したと言わんばかりに

激怒してしまった。

「貴方は!!こんな時間に!!外を彷徨いて!!襲われでもしたらどうするんだ!!」

「ひぇ...すいませ」

「あと!!君!!こんなおじさんにも声掛けちゃいけません!!そして会話の人分目がなんだって?泊めてくださいだぁ?寝言は寝て言えやぁ!」

「うぅ...そんなに言わなくたって...」

「とりあえず、そこに交番あるから、いこう?親に迎えに来てもらおう」

そして交番へ行こうとすると手を掴まれる

「やめて」

「お願い....します...」

さっきの生意気な態度とは違ってとても辛そうな顔をしている

「...わかった」

「ほんと...ですか?」

彼女の表情が明るくなった

「けどそしたらどうすっかなぁ...こんなところに置いておく訳にもいかんし」

うーん ...と悩んでいると少女が言う

「じゃあ、私を泊めるしかないですね!」

「あぁ...やっぱり不幸だ」

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