第4話 初めての出立!?

弥兵衛から聞いた話によると、今回の戦乱は上杉憲政、上杉朝定、足利晴氏っていう3人の武将と、北条氏康っていう人が戦ったらしい。3対1なのに1のほうが勝っちゃったんだって。全くすごいよね。


決めては、夜襲だったらしい。夜襲ってなにって聞いたら弥兵衛のやつすごい顔してた。この時代だと常識らしいんだけどイマイチ僕にはよくわからなかったなあ…。色々話聞いてたら、夜に敵を襲うらしいってことだけわかった。そんな卑怯な手を使うなんて北条氏康って酷いやつなんだろうな。とにかくこの戦いは僕には関係ないや。


その日の夜、なんだか眠れなくてまどろみながら考えた。





なんだか、怖い時代に来ちゃったな。





いつのまにか寝ちゃったよ。足軽の朝はもともと早い上に今日は火起こし当番なんだ。面倒くさいなあ…、とか考えながら歩いてたら、山本とすれ違った。この人は僕の教育係として少し前まで訓練をしてくれた恩師なんだ。


僕の髪型がおかしいっていっつも言ってきたんだけど、別に髪型なんていいじゃん。多様性の時代なんだよ、あ、今戦国時代だったわ。多様性の時代じゃないんだな。


その後、火を起こして、ご飯の準備して、食事をすませたら偉い人の屋敷までダッシュで行進する。


今日から、僕らは出かけるんだ。なんでも織田信長様が元服のために駿河ってとこに行くらしい。


一回も聞いたことのある地名がないことに不安しか感じないけどついて行ってみることにした。


信長様の屋敷に行くと、なんかみんながめちゃくちゃに走って準備していた。弥兵衛も手伝いに飛んでいっちゃって、どうしようもない。


なにをしたらいいのかわからなくて立ち尽くしていると、何やら赤銅色に輝くものを渡された。


周りを見回したら、みんなそれを身に着けているみたい。なんだか怖いけど、身につけることにした。重いし臭いしジャラジャラなって嫌な音だなあ…。着たは良いんだけどなにもわからないからどうしようもないよ。


弥兵衛探すしかないし。どうしよう。あ、なんか前の大群が並んでいったから並ぶか。目立たなければいいよね。



「お、見っけられてよかった」



弥兵衛も来た所でなんか大きい音がして、みんながあるき始めた。なんだろ、ワクワクする。







ずうううううううううっと歩いてようやく駿河ってとこに着いたみたい。


目の前にでっかいお城があるんだ。こっちは別にぎらぎらしてなくていい感じだと思った。こんな殿がよかったし、なにより足がじんじんして死にそうだよ。


なんか待たされてたら、いつのまにか後ろに信長様がいて、城の中にずんずん進んでった。すごい光景だよ…、いつかこんな風になりたいなあ。


足軽って城の中にはいれるほどの身分じゃなくて、外で弥兵衛と待つ羽目になった。


すんごい暇だったよ、持ってきた弁当は一瞬で食べっちゃってなんにもたべるものがないんだ…、お腹も空いたし最悪だよ。


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