天空の村から来た魔女。

第6話：ついに告白。

僕の気持ちはもうピークまで達していた。

想いをクチしないと限界ギリギリ・・・心が張り裂けそうだ。

「おはようございます、春樹さん」

「いいお天気ですね」

「そうだね、おはようアリス」

（君が僕の前にいるときは僕の心はいつだって曇ってるよ）

「アリス・・・もうさ、名前呼ぶのにさんはいらないから」

「春樹って呼んでくれていいよ」

「ご主人様を呼び捨てなんてできません」

「それに私魔女だし・・・」

「頼むから・・・もうさご主人とか奉公人とか拘るのもやめないか？」

「それに魔女だからって、そういう遜（へりぐだ）りもやめよう？」

「僕はアリスとは同じレベルって言うか同等だと思ってる」

「僕のことご主人とかじゃなくて友達だって思ってくれていいから、同じ

学校に通ってる同級生、マブダチ・・・遜（へりくだ）らないで・・・」

「お友達なんですか？私たち」

「だから〜隔たりを無くそうよって言ってるの、分かってよ？」

「だけど、春樹とは呼べません」

「いいよ・・・じゃ〜春樹さんのままでも」

「でもさ、僕といる時はもっとフレンドリーでいてよ」

「分かりました、じゃ〜お友達のつもりでいます」

「つうかさ・・・もう・・・違うんだ」

「なにが違うんですか？」

本当はそうじゃないんだ・・・本当は僕の彼女になって欲しいんだってば。

もうさ、君への想いが身体中から溢れ出しそうだよ。

「アリス・・・黙って聞いてほしんだけど・・・」

「あのさ、僕、アリスのことが・・・すき・・・好きなんだ」

「え？」

「だから、好きなんだって・・・ずっと好きなんだ、君が僕んちに来た時から

だから、だから僕の彼女になって欲しい」

（ようやく言えた）

「春樹さん・・・・・いいですか？しゃべっても？」

「うん・・・どうぞ」

「春樹さんと私は、ご主人様と奉公人ですよ」

「それのなにが問題あるの？」

「身分が違うんじゃないかと・・・」

「それに春樹さんの家と私の家とではすっごい格差ありますけど」

「古いよ・・・今の時代にそんなこと・・・」

「人を、魔女を好きになるのに身分とかそんなこと関係ないだろ？」

「それにそんな隔たりを無くすために、僕のお母さんは君を高校に

行かせてるんじゃないの？」

「って言うかさ・・・僕は今日まで、すんごい葛藤と戦ってたんだよ」

「アリスへの気持ち告ろうか告るまいか・・・でも、もし断られたら

どうしようとか・・・バンジー飛ぶより勇気いるんだからな」

「毎日授業は身が入らないし・・・」

「なんで君を好きになっちゃったんだろうって悩むし・・・」

僕は夢中で心に溜まった思いを吐き出していた。

「ね、そのへんを踏まえて、よく考えて欲しいんだ」

「僕の彼女になってくれないと困るんだ」

「僕の死活問題に関わってくるからさ」

「なんでかっていうと毎晩、夢の中にアリスが現れて笑顔で俺においで、おいで、

するんだ・・・そんなことされたら興奮してまじ眠れないだろ？」

「だからもう寝不足なんだ」

「ね、目の下にクマができてるだろ？」

「このまま行くと俺は確実に自律神経やられると思うんだよね」

「だから・・・だから」

「クス、クス・・・春樹さん面白い・・・それによく喋りますね」

つづく。