第19話 自国で作れる甘味を考えた結果、いい方向に進んで行く!!

久方ぶりにバランドス王国から戻ってきたシュリウスとの会話は有意義なものだった。

今は山等で見つけたブルーベリーの木を植えたり、野イチゴを育てて増やすことにも成功したのだそうだ。

森に入っては食べられそうな木の実の木材を掘ってきて果樹園なども作っているらしく、それらはとても需要があるのだそうだ。



「思うに、砂糖などが高いので天然の甘いものがとても好まれる傾向が強いように感じます。砂糖を手に入れることが出来たらもっと甘いものが作れるのでしょうが」

「ふむ、なら、ドライフルーツなんかは良いかも知れんな」

「どらいふるーつ?」

「果物を薄く切って天日干しにするんだ。湿気が飛んでパリッとなったら食べてみるといい。それなら我が国のバナナなんかは特に好まれそうだ」

「バナナなんて皆さん食べ飽きてますよ?」

「それがな? ドライフルーツにするとまた味が変わって美味いんだ」

「そうなんですか!?」

「後、危険は伴うが、ハチミツと言うのもあるな。とても甘いんだ」

「蜂は沢山いますね。ハチミツというと、甘いのですか?」

「養蜂と言う蜂を自分たちで管理出来れば、幾らでも甘いものが取れるぞ」

「おおおおお……」

「ただ、蜂は刺されると痛いし専用の服がいる。もしバランドス王国でハチミツを作るのならやり方は教えるが……」

「是非に!!」



という事で、前世の記憶を掘り下げて作り方を図案を書いて説明文を書いて行く。

それを見てシュリウスはとても驚いていたが、「これが成功すれば、砂糖に変わる甘味は沢山取れるな」と伝えると目を輝かせていた。



「ドライフルーツにハチミツ……兄上は天才です!!」

「ははは、ただ専用の服で頭や肌を守るのは大事だ。そこは裁縫ギルドと相談してくれ」

「畏まりました!」

「ドライフルーツの件は俺もバナナやキュウイ等が沢山あるから調理師を雇って試してみよう。ただ、ドライフルーツは短くても1週間しか持たないんだ。場合によってはもっと持つんだが」

「ハチミツは瓶に入れてどれくらい持つでしょう?」

「場所にもよるが密閉していれば2年から3年は持つ」

「素晴らしいですね……是非取り入れたいと思います!!」

「うむ、是非バランドス王国の目玉にしてみてくれ」

「はい!!」

「そうなるとドライフルーツを作るガラスハウスが欲しくなるな……こちらは暫く掛かりそうだが」

「取り敢えずハチミツは今から虫師や野山に詳しい人を集めて相談してます」

「うむ。成功したら少し分けてくれないか?」

「考案したのは兄上ですから是非に!!」



こうしてシュリウスは箱庭経由で戻って行き、砂糖に変わる甘味が出来るのも時間の問題だなと嬉しくなった。

問題はこっちも砂糖になるようなものがないか探すところだ。

砂糖ならばビーツ……てんさい糖だが、これは寒い地方でしか作る事は出来ない。

となると――サトウキビだが、ん? サトウキビか……。



「サファール宰相」

「はい?」

「ザーバン商隊か、ボルドーナ商会に【サトウキビ】が無いか連絡を。それと」

「サトウキビでしたら、捨てる程ありますが」

「あるのか!?」

「ええ、捨てる程ありますね」

「御触れを出せ、捨てるのではなく城に持って来いと。それと調理師を多く雇ってくれ。魔道具師達にはミキサーは作っていたな?」

「はい、ミキサーはシュライ様のお願いで作られております」

「後は果汁絞り機もあったな? 二つを大きめに作るよう指示を。今ある分はそのまま大量購入する。後は料理をこす為の布地を大量に発注してくれ」

「はい」

「一大事業になるぞ。あとはサトウキビを大きめの箱庭を持つ10人で作りたい。用意できるか?」

「はい、今もドンドン箱庭師は増えていますので直ぐに」

「即行動に移せ。我が国で砂糖が作れるぞ!」

「なんと!! 真ですか!?」

「だから一大事業になると言っただろう。国を挙げての事業だ。急げ!」

「はっ!!」



こうして数時間後には外にあったサトウキビ畑のサトウキビは切り取られ、それらは直ぐに城に山のように搬入され、サトウキビは多年草と言う事もあり根っこの部分も土そのものも含めて掘られそれも持って越させた。

あとはサトウキビを植える箱庭師だが、10人とても広い箱庭師を選んでくれたようで、少ない株からだがそれぞれ植えて行き、他所に行っていた「緑の手」を持つ者たちを10人の箱庭師に毎日通うように伝える。

そこで第一段階。


第二段階では男女合わせて50人の調理師がやってきたので、宴会用の厨房を全部彼らに貸し出した。

そしてサトウキビで砂糖を作るやり方を教える。

無論魔法契約で外に漏らせない、出せないように契約をしてからだが、サトウキビの砂糖の作り方を図案とやり方を書いて見せると、「手間暇がかなり掛かりますね」と言われたが、砂糖を自分たちの手で作れるならと気合が入っていた。



「力仕事は男たちの仕事だ、火加減は女性たちに頑張って貰う。ドンドン作ってくれ」

「このやり方を延々とするんですね?」

「その通りだ。最初は失敗はつきものだが、必ず成功させてくれ。ミキサーの歯が駄目になったら即魔道具師に連絡を。直ぐに砂糖大臣を用意するので、彼らにお願いしてくれ」

「「「「畏まりました」」」」

「サファール宰相、直ぐに国を挙げての事業だ。この戦い負けられんぞ」

「はい!!」

「テリオット」

「はい!」

「大臣たちの補佐で最も働いているのは誰だ」

「財部大臣の下で働いているエリーナ補佐官はかなり頑張っているかと」

「ではエリーナを呼んで来てくれ。財部大臣の下で仕事をしているのならうってつけだ」

「はい!」



こうしてエリーナを呼んで来て貰い、事情を話し直ぐに【甘味大臣】に任命した。

甘味と言うのは別に砂糖だけではない。ドライフルーツの事もさせるつもりだ。

だが、肝心のハウスが作れない。

家を建てるにしても天日干しがいいのだが……ガラスハウス、ビニールハウスが作れればもっと早く作れるんだがな……そう思っていると、神々の島からジュノリス大国の王であるアツシ様が到着したと言う話を聞き、直ぐに迎えを出した。

そして――。



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