第3話 長ったらしい説明会

ごちそうの後は地獄だった。

魔力が尽きるまで自分の武器を出す。魔力が尽きると対侵略者用に生身のトレーニング。私は運動が得意なほうではない。変身中は体力の心配はないらしいが、体に動きを覚えさせておいたほうがいいと言われた。

ちなみにだが私の魔法は物語の中に登場するアイテムを使えるというものだ。実際いろいろとマンガ、アニメ、小説等幅広く楽しんでる自分には向いている魔法だ。

だが欠点がある。

二回目以降なら召喚後すぐ使えるが、最初は魔力がこもっていないから使えない。正確に言うと製造、魔力注入、使用という流れになる。使ってない間は勝手に魔力がチャージされるからいいのだがとっさに使うのに向いてない。

ついでに自分の魔力量は常人よりちょっと多いくらいなので魔力量を増やすための特訓でもある。今のうちに準備しておくということだ。


「でいま日付が変わったんですけど、もう帰れそうにないのでここで寝たいです。」

「分かった、こっちだよ。」


案内された部屋はまるで今作られたかのようにキレイだった。シャワーを浴びてふかふかのベッドに飛び込む。私は泥に沈むかのように眠った。


「起きて、侵略者が現れたよ」


目を覚まし時計を見る。三時を指している。あぁ遅刻だ。そう思った束の間、今布団で眠っているのを感じる。


「もしかして夜中三時ですか?」

「そうだよ。だから急いで、犠牲者が出る前に。ゲートオープンと言うんだ。」


あくびをしながら応える。


「ゲートオープン」


途端に私の体を光が通過し変身が完了する。二回目の出撃だ。また魔法少女に合わなければいいけど。


その心配はいらなかった。敵の魔法少女もさすがにこの時間は寝ているようだ。再び眠りにつく。

目が覚めると時計は九時を指していた。複製体は寝ている、学校の机で。


「複製体といえど私は私か。」


次の休み時間に入れ替わろう。そう思いながら朝食に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る