(二)-7

「『酒のゲキヤス』さんが来たわよ」

 幸恵はそう言いながら、テーブルに一升瓶を二本、置いた。

 その瓶を見て、神先生は「おお、来た来た」と嬉しそうな表情を浮かべた。

「先生、嬉しそうですね」

「ハレの日というなら、これがなけりゃ話が始まらんよ。高井戸君もどうだ、一杯」

「ありがとうございます。でもまだ仕事中なので。電話が来たあとで頂きます」

「冷やにします、お燗にします」

「まずは冷やだな」

「なら、お猪口ちょこをもってきますね」


(続く)

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