第41話 神殿での開き

 今日は12歳の誕生日、神殿に行って帰って来る時には大人になっていると思うと不思議な気分だね、

 朝から凄いご馳走だった、なんでも使用人達や庶子達にもご馳走が振舞われたそうだよ、みんなボクの誕生日を祝ってね。


 神殿に行くとモノクルを嵌めた神殿長が、

“大きさ、明るさ共に5”と大きな声で告げてくれた、ボクの魔力は最高って意味だよ、

 もちろんそのまま魔道も開いてもらう、施術台に寝転んだボクを数人の人達が取り囲む、みんなマスクをしていてちょっと不気味、


「さぁ、レオポルト様、魔道は開かれました、こちらの石を握ってください」

 神殿長が真っ黒な石を差し出す、

「これで良い?」

「はい、よろしいですよ、それではこの石に魔力を流し込んでください、考えないで身体の感じるままでよろしいですよ」


 真っ黒だった石がだんだん紅色に光り出す、紫になったと思ったらあったと言う間に青色から緑に、

「いきなりは危険です、その辺で」

 神殿長に止められたけど、ボクの魔力は充分だと証明されたよ、更に神殿長は言う、


「レオポルト様は類まれな魔力の持ち主でございます、更にスキルも授かっております」

「…それは」

「スキルとは何を授かったのですか?」


 ボクよりも父上の方が興奮しているよ、

「隷属のスキルでございます、格下の相手に自分の意思を押し付ける事が出来る力でございますよ」

「それは素晴らしい、我がアルトナー家は奴隷商人、稼業にピッタリではないか」

 ボクが奴隷商人になるのは確定なんだ、さっきまでの高揚していた気分に黒い雲がかかったよ、ずっと勉強だけしていたらダメなのかな?



 神殿の階段を父様と一緒に降りる、

「レオポルトよ、我が一族の誓願を知っているか?」

「貴族の爵位をもう一度ですか?」

「そうだ、それがアルトナー家の願いだ、貴族には魔力が必要だが魔力さえ有れば貴族になれる訳ではない、願いをかなえるには金がかかるのだ」


 貴族社会の事を勉強したボク、貴族には位階と爵位と言う物があるのだけど、爵位って言うのは男爵とか伯爵とかの事だよ、王様が臣下に授けるのさ、

 位階は家に付いて来る、一番上が正1位、次が従1位、正2位、従2位……

アルトナー家は従5位と言う微妙な位置だよ、滅多な事で下がる事は無いけど上がる事は更に稀な位階。


 △


 家に帰ると今朝のご馳走が霞んで見える程の豪華な料理が並んだお披露目会だった、

 係累の人達や父様の仕事の付き合いのある人達が集まってボクをお披露目、それは大勢の人で溢れかえったけど、ボクの目はヒルデに釘付け、蜂蜜みたいな金髪をアップにして真っ白なうなじを見せたその姿は大人みたいだよ、

 身体にピッタリしたドレスも素敵だしお胸もフカフカしていそうで素敵だね、


 △


 お披露目を兼ねた食事会も無事に終わりヒルデ達が帰るとが帰るとボクは父上の部屋に通された、

「レオポルト、ヒルベルタ嬢は気に入っているか?」

「はい、とっても良い子です」

「そうか、あの子はお前の許嫁だ、将来結婚する仲と言った方が分かり易いか」

 正直12歳のボクに結婚なんて良く分からない大人の話だよ、だけどヒルデと一緒にいられるなら良い事だよね、

「お前も今日から大人の仲間入りをしたのだ、早いうちに貴族の義務を経験しておけ、最初はブサイクだが経験豊富な者が相手だぞ、

 情が移らん者を用意してある、大人になって来い」


「はい、分かりました」

 正直に言うと父上が何を言っているのかよく分からなかった、だけど部屋に帰ると下働きの醜女が待っていた、

「坊ちゃま、お帰りなさいませ、わたくしヘノベバが坊ちゃまの筆おろしをさせて頂きます」

 そう言うとスルスルと裸になった、目の前にはダラリと垂れて左右に広がった醜い物が垂れさがり、お腹は段になってシワが寄っているし脚なんて丸太みたいだ、

「さぁさぁ、お坊ちゃま、どうぞ」

 そう言ってボクの服を脱がす醜女、ボクは必死に抵抗するけど下働きをしているだけあって力持だ、

 そのままベッドに押し倒されたけどボクはウヮンウヮン泣いてどうなったか覚えていない。

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