令和2年のDREAM BOOK

DREAM BOOK:01

DREAM BOOK 本の夢師


活字には夢がある。

少なくとも、僕は活字に夢をみている。

言霊と言う文言が示す通り、言葉には想いが宿る。

僕が本に魅せられたのは、中学校三年生の時。

一冊の卒業文集が、僕のその後を変えた。

意識はしていなかった。得意だと思った事も。

寄稿した作文が、学年で話題になった事に

狐につままれた様な感想を抱いた。

それでも、僕の「髪型落語」は一世を風靡。

「爆発頭と呼ばれて」と言う表題だった。

「爆発頭=ボンバーヘッド」。


高校生になって、新人賞に応募する様な

目覚ましい挑戦意欲は芽生えなかったが

振り返ってみると、僕はあの頃から

本の夢師だったと回想する。

21歳で精神病を発病して

紆余曲折あって闘病記めいた作文に執着する様になる。


乱筆乱文には違いなかったが

僕は残りの人生を、鉛筆を握って過ごすと誓う。

今、こうして、1日4,000文字ペースで

文字を並べられる様になって

書きたい事は日を追う毎に増えて行くけれど

僕は未だプロのライセンスを取得出来ないで居る。

焦っては居ないが、これではいけないと言う

気持ちは常に卓上に転がっている。

それを目視する度に

僕はノートパソコンをパキッと折って

4,000文字の小旅行に出掛けるんだ。


本の夢師は、僕が僕で在る為の存在証明。

取り敢えず1,000文字書いてから

何を主張すべきかを炙り出して行く。

冒険が書きたい、剣や魔法を扱う様な筋書き。

中二の精神を前面に出した願望は

中々果たされずに、こんにちまで来ているけど

僕の中に眠る少年を起こしたら

紙面を勇者達が駆け回る日々が始まるんだ。

ライトノベルと呼ばれるファンタジー小説。

前人未到の純白な雪原に、残したい足跡。

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