INSANE 3人で過ごす休日

三人で会していた頃、書いていたのは

MAD LOVE LETTER.

中毒性がある恋文を巡って起こる

誰も死なないミステリーだったが

「今日、手紙はあ? 手紙ちょうだい……」

僕からの恋文に依存するレバルを見兼ねて

したためた物語だ。


MAD LOVE LETTER.

MLL:無頼漢と英国紳士


「吐けえー! 吐け吐け吐けえー!

 お前だろおー!

 やったのは、お前だろおー!」

某県某市 南署

眉毛の太い大柄な刑事が

椅子に座していた人物の胸ぐらを掴み、上下に激しく揺さぶる。


「ちょっとクマさん! やり過ぎですって!

 こんな取り調べ、今時流行んないっすよ!」

若い刑事がクマさんと呼ばれる無頼漢をいさめる。


「流行る流行らないの問題じゃない!

 こいつはなあ、善意につけ込んだ悪魔なんだよお!」


「すみません……先輩は熱血漢なので

 被疑者は皆一様に社会悪なんです……」


固い表情のまま、しおれた花の様になる被疑者の男性。


「黙秘権ってやつか? 好きにしろ!

 警察は優秀だ。必ず貴様の尻尾を掴む!」


「取り調べ中、失礼します!」

捜査に出ていた刑事が入室する。

「変調を来たした女性の部屋でこんな物が……」

「色紙?」に、しては色味が淡い。


「三浦刑事、ご苦労様です!

 この紙を鑑識に回すのですね?」

三浦刑事、うなずいて……

「目ぼしい証拠品は取り敢えずこれだけです。

 鼻を近付けてみて下さい。何か感じませんか?」

若い刑事が鼻孔をひくひくさせる。

「(スンスン)……優しい香りですね。

 これが被害者の変調と何か関係が?」

「可能性としては、これじゃないか、と」

カバンから、レポートの様なA4用紙を取り出す三浦刑事。

「か、化学物質過敏症……?

 にわかに事件のきな臭さも、鼻孔に迫って来る様だ」


以上が、MLLの冒頭部分である。

BACK HOME Season3の一部に

組み込まれている原稿だが

第3部が採用される未来は遠い……。

(結局のところ、本の夢師に組み込まれる?)

(化学物質過敏症、予測変換に)

(ラインナップするくらいお馴染みの疾患に)。


カズキは、見習うほどの読書家でもあった。

僕の作品は何作品読んでくれただろう?

MIRACLE OF POP.

「ポップの奇跡」は褒められた記憶があるな。

Blind Touch=ブラインド・タッチ。


カズキは地元のLIVEハウスのチケットを取ってくれた。

HOT FLASH GENERATION

というバンドの演目で、僕は当日に行けなくなった。

通称:ホトフラのことを脚色して書いたのが

渦中のBlind Touchだ。

(=盲人が触れる)に込められた意味とは?


チケットは妹さんの旦那さんが買ってくれたみたいで

カズキ、妹さん、旦那さんの三人で観覧に行って

旦那さんはその日からホトフラのファンらしい。

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