裏切りのカリキュラム(一般書架)

すぱとーどすぱどぅ

第1話 教室の隅で、ケンジは友人たちと

 教室の隅で、ケンジは友人たちと囁き合っていた。


 彼の目はいつものやんちゃな光を宿しているが、今日はそれに加えてある種の決意も見て取れた。


「本当にやるのか?」

 友人の一人、タクヤが半信半疑の表情で尋ねる。


 ケンジはにっこりと笑って、頷いた。


「ああ、真相を突き止めるまでだ。」



 その時、ハルが教室に入ってきた。


 彼はいつも通り、周りに陽気な挨拶を投げかけるが、ケンジにはその笑顔の裏に何かを隠しているように見えた。


「おはよう、ケンジ。今日も元気そうだね。」


 ハルが近づいてきて言った。


 その声には親しみがこもっているが、ケンジは心の中で警戒する。


「おう、ハル。いつも通りさ。」


 ケンジは軽く答えつつ、ハルの表情を探るように見つめ返した。






 授業が始まり、先生が板書を始める。


 ケンジはノートに目を落としながらも、考え事をしている。


 ハルとそのグループに何か秘密がある。


 それを暴く手がかりは、この学校のどこかに隠されているはずだ。






 放課後、ケンジはアイコに近づいた。


 彼女は事件について何かを知っていると噂されていたが、今まで誰にもその情報を話していない。


「アイコ、ちょっといいか?」


 ケンジは彼女の机に寄りかかりながら、やんちゃな笑みを浮かべた。



 アイコは一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐに平静を取り戻した。


「何?」



「実はね、ある計画があってさ。」


 ケンジは声を落とし、周りを警戒するように見回した。


「お前、学校で起きてる変な事件について何か知ってるって聞いたんだけど…」



 アイコはしばらく黙っていたが、ケンジの真剣なまなざしに心を動かされたのか、ゆっくりと口を開いた。


「私…実は…」


 その瞬間、教室の扉が勢いよく開き、先生が入ってきた。二人は急いで会話を中断し、普段の表情に戻した。


「ケンジ、アイコ、何を話してるの?」


 先生は怪しげな笑みを浮かべながら近づいてきた。


「何でもないです、ただの宿題の話ですよ。」


 ケンジはあっさりと答え、アイコにもう一度目を向けた。


 その目には、「後で続きを話そう」という約束が込められていた。


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