勇気出してinステージ出演
マイペース七瀬
第1話
キヨテルは、40代後半になった食品メーカーの会社員である。
ついこの間まで、院卒のキヨテルは、研究所で、食品の研究をしていたが、病気になり、入院した。
そして、ここの食品メーカーの事務職に配置換えになった。
2024年になった。
明るい話題がない。新年から、北陸の石川県で地震があった。そして、キヨテルは、本当は、北陸の石川県の温泉へ行きたいとか考えていたが、駄目だった。
何もない毎日を暮らしている。
いや、キヨテルは、大学院へ進んだのは、本当は、大学教授になりたいとか考えていた。しかし、大学院のときに、キヨテルは、博士課程の男性の先輩と口論になり、博士課程への進学をあきらめた。
そして、関東地方の茨城県や群馬県、栃木県や神奈川県の研究所を転々としながら、実績をあげていたが、最後の神奈川県海老名市の研究所にいた時、やはり、男性の上司と口論になって、本社の事務職に配置換えになった。
キヨテルは、本当は、彼女が欲しいのだが、できない。
学生時代は、少し、SPEEDの上原多香子に似た彼女がいて、彼女から弁当を作ってもらっていた。
しかし、彼女が、たまたま、違う男性と食事をして、それで、嫉妬して、以来、恋愛に臆病になった。
今だって、そうだが、以前は、キヨテルは、女優の土屋太鳳が、好きだった。
一時期、NHK連続テレビ小説で、土屋太鳳が、ドラマの主人公になっていた時、ドラマの内容は分からないのに、何故か観ていた。
そう言えば、土屋太鳳が、NHKの連続テレビ小説の舞台は、金沢だった。
あれは、いつだろうか?
スマホで検索をしたら、2015年春となっていた。
土屋太鳳が、金沢駅で、北陸新幹線の開業セレモニーに来ていた。
実は、キヨテルは、鉄道オタクで、北陸新幹線W7系・E7系の写真を撮ったこともあった。一度、会社の出張で、北陸新幹線かがやきのグランクラスに乗った。シートは、本革で、和の趣は、豪華だった。
時速260キロらしい。
そんな時、北陸新幹線の本を読んでいたら、こう書いていた。
公務員のバイトをしていたが、実は、北陸新幹線のグランクラスアテンダントをしている、と言った20代女性の記事があった。
本当のキヨテルは、どうだったのか?と思った。
キヨテルは、元々、勉強はできた。
しかし、本当は、キヨテルは、芸能人になりたいなんて思っていた。歌手とかダンサー、役者になりたいとか考えていた。
この公務員のバイトをしていた彼女は、グランクラスアテンダントをしている。彼女だって、勉強ができたに違いがないと思った。
キヨテルは、親が「キヨテルは、国立大学の理科系のクラスに行ってほしい」と言われて、国立大学でバイオを専攻したが、それは、ただのレールに敷かれた人生だったと、40代後半になって感じる。
そんな中、だった。
2024年2月3日は、節分である。
「明日、節分ですが、誰か、鬼をしませんか?」と朝のミーティングでチーフが、言った。
そんな時だった。
キヨテルは、もう40代後半になって、未だに彼女ができない。
悶々としている。
後輩は、上司になって、彼女は、違う男性と結婚した。
さらに、居酒屋へ行っても、上手く話ができなかった。
クルマの運転だって下手だった。
その時だった。
「はい」
とキヨテルは、挙手した。
ーえ、カシワギ君、してくれるの?
ーはい、します!
と言った。
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