『もしも悲しみを取り外せるなら』

もしも悲しみを取り外せるなら

僕はそれをベランダの手すりに置く


野良猫が咥えるか

カラスが蹴り落とすか

それともいつまでも風に吹かれるか


悲しみを取り外した僕は

アパートを出

太陽の色に戸惑う


呪うかもしれない

笑うかもしれない

君の名を叫ぶかもしれない

涙を流すかもしれない


もしも取り外せるとしても僕は

悲しみを抱き続けるだろう

君を忘れないために


君の

あの美しい笑顔を

いつまでも忘れないために

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