散文詩『蒼天貫唾』
控えに言ってクソ野郎。気に食わないか?なら言い換えてやろう。うんこ野郎だ。いや、やっぱりクソ虫と言い換えよう。
いずれにせよお前は、庭の石の下で太陽を呪いながら息を潜めている眼が小さくて脚ばかりたくさんある虫だ。
無数の脚を持ちながら、どこにも行かず、ただただ太陽の熱を忌み、陽が沈むのを待ってゴミに顔を突っ込んで旨そうに貪り食う笑顔――虫唾が走るの語源はお前か?
お前に生きる資格があるか?知らない。でも生きる価値は無い。断言する。なぜならお前自身がそれを声高に主張しているからだ。
お前はかなりの労力を費やし自分の無価値を証明しようと今日もぺたぺぺたと皮膚呼吸に必至の必死だ。滑稽だと認識できるほど俯瞰もできまい。
【ここで溜息をインサート】
お前は、すべての不幸と厄災の原因を自分以外の何かに求めようと常に奮闘している。それは本能か?つまりお前にとって生きることは、憎悪と自己憐憫の両輪を以ってただただ時間の轍をなぞる行為なのか?
お前は自らを平均以上の存在だと認識している。いや、自覚をねじ伏せてそう思い込もうとしている。人類の半数を自分以下と決めつける――それが精神のホメオスタシスを維持する前提条件になっている。
ただしその目論見は脆くも崩れ去るだろう。何故なら控えめに言って、人類の半数はお前よりも優秀だからだ。お前は、自分より優秀と認めざるを得ない存在、またはその才能と出会った時に、ここぞとばかり持ち前の語彙力を活かして罵詈雑言を繰り返す。それはお前にとって祈りのようのなものであり、お前の心はお前の吐く呪詛のせいでチェーンスモーカーの肺のようにレントゲンにおぞましい影ばかりを映し出している。医者もお手上げだ。
お前は死ぬ。人は皆いずれ死ぬなんて戯言はお得意の言い訳。そんな戯言を座右の銘に戴いている存在はフナ虫かお前くらいだ。いや、フナ虫のことは今はいい。(やつらの哲学には敬黙すべき点もある)。
兎に角お前は、人生と時間が≒であることから目を背け、自分のことを神話で語り継がれるイモータルな存在であるかのように錯覚したまま、伸びたカップ麺を啜っている。三分待つ間に、世界を変えることができる人間がいるなんて想像すらできないだろう。お前のシナプスはそこで途切れている。
かつて中毒者のように日々、自傷と反省を無意味に繰り返していた青年がお前の前駆体であろうとはにわかに信じがたい。お前はプラモデルの入った箱をひたすら揺すっていればいつかガンダムができると信じているようだが、もしもそんなことが可能ならばその動画をアップロードしてインフルエンザに感染するが良い。
お前の手は汚れている――クソよりもいや、クソが捻り出したクソよりも。お前はその手で自分の眼鏡を拭い、世界を見渡してこう言うのだ。「この世界はクソ塗れじゃないか?!」ってな。その汚物がどこから来たかもう一度よく考えてみろ!
いや、そもそも汚物にこんな説教をしても無意味か?仮にももし俺の言葉が少しでも理解できているのならば、お前は今すぐにヨガを習得してその肉体の質量を纏めて便器の奥にじゃーじゃーと流してしまうべきだ。超人オリンピックでベンキマンの技を食らった雑魚超人の動きをエアーで熱演しろ!
憐れだ。お前は自分を憐れだとは1ミリも感じていない。それが憐れだ。そうしてもう一度言っておく。お前は死ぬ。それが明日か数十年後かは知らない。お前は「そんなことは分かっている」と言う。だがお前は何かを理解したことなんてただの一度もない。理解したつもりになっているだけだ。それが証拠にお前の行動は理解する前も後も一切揺ぎ無く変化していないじゃないか!変化を伴わない理解が許されるのは猫とバッタだけ……いや、猫のことは今はいい。
「お前……生きる気はあるのか?」
適当に稼ぎ、適当に飯を食って、それなりの服を着て……お前の心は満たされるのか?心を見殺しにする気か?
俺はお前が許せない。どうしても許すことができない。
何故許せないかって――お前が俺だからだ。
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