50秒小説『ハリー・ポッターとケンちゃんの意思』

小学生時代の作文

「ぼくは、大きくなったら、ぜったいに、ぜったいにはりーぽったーになります。 二ねん三くみ 田中けんじ」


中三の時のアンケート

「将来は、ハリポッターになりたいと思っています」


高三の進路指導

「一般の大学に進学することも考えたのですが、やはり小さい時からの夢を実現させたいと思っています。僕はハリーポッターになります」


面接

「子供っぽい夢を抱いていたなと、恥ずかしく思います。現実的に考えれば、僕がハリー・ポッターになれるわけはありませんからね。今は自分に出来ることを、こつこつ積み重ねて、少しずつでも成長していきたいと思っています。こんな未熟な僕ですが、どうか、よろしくお願いします」

「あなたの熱意は伝わりました。入学を許可しましょう」


 面接官立ち上がり握手求め「ようこそ、ホグワーツへ」

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