23、妹がドレスを脱ぐ前に(★)

 ヴァイスハイト達と別れ、左の部屋に入ったゲニーとアンジュは一息つくために二人掛けのソファーに並んで座り、用意されていた紅茶を入れ、クッキーを食べていた。


「このクッキー不味くはないけど、アンジュの作った方が美味しい」

「そう? また今度作ってあげるね」


 何度かゲニーに作ってあげたクッキーを褒められ、アンジュは微笑む。


「ねぇ、もうドレス着替えちゃうの?」

「え?」


 ゲニーはアンジュの手を引っ張り立たせ、ひょいっとお姫抱っこする。そして部屋の隅へ歩いていき、無詠唱で魔法を使い簡易なベットを出現させた。


「え?! 無詠唱で魔法使えるの?!」

「簡単なものならね。流石に魔力を沢山使う魔法は詠唱しないと使えない」


 無詠唱の概念は色々研究されてるが、実際無詠唱で魔法を使える人はこの国には居らず、目の前で無詠唱の魔法を見て魔法好きなアンジュは目を輝かせる。


「凄い! もうこの国じゃゲニーより魔法使える人いないんじゃない?」

「来月から魔法団に入団が決まってるから、入団したら魔法団総帥と手合わせお願いしてみるよ。あの人は僕の魔法の師匠だからね。そう簡単に勝てないと思うけど、勝てたら褒めて」

「うん、いっぱい褒めてあげる!」

「沢山褒めてね? それなら頑張れるから!」


 はにかむゲニーを見て、アンジュは目の前の人をとても可愛いと思い、愛しくなり見つめた。そんな目線に応えるようにゲニーは口を開く。


「アンジュ、好きだよ。愛してる。世界で一番大好きだよ」

「うん。私もゲニーのこと愛してるよ。世界で一番大好き」


 二人はしっとりと唇を重ねる。唇どうしが離れ、笑いあった。


「何で僕がベット出現させたか、君ならわかるよね?」

「もう。ここでするの? 私の旦那様はエッチで困っちゃうわ」

「それをいうなら、僕の奥さんがエロ過ぎるのも困るんだけど? 今の格好もとってもエロいし。式の間ずっと我慢してたんだよ?」

「じゃあ、我慢出来たご褒美あげないとね?」

「うん。ご褒美にとても素敵なウェディングドレス着てるエロい君とエッチしたいな」


 アンジュは肯定の気持ちのキスをゲニーの唇に落とす。ゲニーはアンジュをベットに降ろし、そのまま押し倒した。


 ゲニーはアンジュの胸の谷間のところの布地に指をかけ、胸元を下にぐいっと脱がす。するとぷるんと肌色の二つの双丘そうきゅうが顕になった。


「え、下着着てないの?!」

「だって下着着ると後ろのチャックが閉まらなくて! 採寸したときは入ったんだけど……。それに生地厚めだからあそこ透けないし大丈夫かなって」


 アンジュはえへへと笑う。


「はぁ〜。だからアンジュってエロいんだよ。何かあって見えたらどうするつもりだったの?! 他の連中に僕のアンジュの胸見せるつもりないんだけど?!」


 ゲニーは溜息をつき、アンジュを注意した。


「私の胸は私のものだもん!」

「いいや! 僕のものだね!」


 ゲニーの燃えるようなスカーレットの瞳がアンジュの晴れた空のようなスカイブルーの瞳を射抜く。


「アンジュの全ては僕のものだよ。ふわふわの髪の毛も、パッチリした青空みたいな澄んだ瞳も、ぷっくりとした紅い唇も、陶器のような白い肌も、細身なのに肉感があるエロい身体も。もちろん、溢れんばかりの大きな胸もね?」


 ゲニーはアンジュの髪をひとすくいし、キスを落とした。


「もう……バカ」

「アンジュのバカは好きの裏返しってこと分かったからもっと言ってもいいよ?」


 ゲニーはにこりと笑みを見せる。


「本当、バカよ。魔法バカで、おっぱいバカで……アンジュバカ」

「あはは、全部認めるよ。特にアンジュバカは言い逃れようがないなぁ。君に夢中ゾッコンだからね」

「ずっと夢中でいてくれる?」


 アンジュは切なそうな表情を向けた。


「うん。きっと死ぬまで……ううん、死んでも夢中だよ。愛してる、アンジュ」

「私も愛してるわ。ねぇ、今からたっぷり可愛がってくれる?」

「僕の天使の仰せのままに」


 そして二人は唇を合わせる。何度も合わせ、段々深くなりくちゅくちゅと音を立てて交わしていく。キスの合間に荒い息が漏れる。どちらのか分からない唾液が交わり、唇同士が離れて銀の橋が架かった。そしてまるで今から食べることを訴えてるかのように、ぺろりとゲニーが自身の唇を舐める。


 アンジュにドレスを着させたまま、ゲニーは左手で愛しい人の顕になった胸を嬲り、下の下着に右手を忍ばせ親指で敏感な秘芽をくにくにと弄る。指三本は既にとろとろになった果実を抽挿した。くちゅくちゅと淫猥いんわいな音を立て、そこを責め立てる。


 とろけた果肉は既に出来上がり、愛する人を受け入れる準備が出来た。愛液の量と蜜口の柔らかさを確認し、そろそろ大丈夫そうだと思ったゲニーは果肉から指を抜き、てらてらと潤う自身の指をつーっと舐める。


「僕も好きだよ、アンジュの味」


 以前のお返しかという言葉と、その眼差しと行為は扇情的で、アンジュの愛蜜は更に溢れる。


 そしてゲニーはスラックスと下履をずらし、愛蜜が溢れる薄桃色の泥濘ぬかるみに自身のそそり立った硬い肉棒をねっとりと埋めていく。最奥まで届くとぐりぐりと奥を前後に抽挿し責めたて、アンジュは嬌声をあげた。


「あん! あっ、んっ! ゲニー! きもち、いい、よぉ!」

「ん、僕も、きもち、いい、よ!」


 二人は荒い息を上げ、お互いの肌を感じながら激しく目合まぐわう。肌は汗でしっとりと濡れ、互いの艶肌を吸いつかせる。ひとつに溶け合うかのような交わりは甘美で、二人は酔いしれた。


「んっ、イク! アンジュ、腟内なかに出すから!」

「私も、イク、イッちゃうよぉ! 出して、ゲニーの精液腟内なかに頂戴!」

「「――――!!」」


 声にならない声で一緒に絶頂を迎えた二人は息を整えたあと抱き合い見つめ合う。そして慈しむように唇を重ねた。


「僕にとって君の中で果てることがこの世で一番の幸せだよ。死ぬ時も君の中がいい。お願いだよ、僕の愛しの奥さん」

「ふふ、凄いことお願いされちゃった。分かった。約束するわ、私の愛しの旦那様」


 また二人は唇を重ねる。まるでそれは先程の願い事を誓う、約束のキスだった。


「もっとしていたいけど、ヴィーたちが待ってるからもう行こうか」

「もう。何回するつもりだったの?」

「ん? 結婚したら朝まで寝かせないからそのつもりでいてね?」

「あらら。寝不足決定ね」

「治癒魔法は君の得意分野だろ?」

「そうだけど……。もう、バカ」

「僕も大好きだよ。僕の、僕だけの天使」


 二人はもう一度キスをし合ったあと、着ていた服を魔法で綺麗にし、普段着に着替えて部屋を出たのだった。

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