第11話俺がやらねば誰がやる

時々、先生はヨシ!イケ!と僕を観ずに唸る。

 話が通じているのか不明瞭だ。

「俺がやらねば誰がやる

今遣らねば誰が遣る!」と江の島先生の筆書きの決意表明がトイレのちょうど便座に座った目の高さに合う様に目の前の壁に貼ってあった。

 ここぞとばかりに気持ちを集中させた時にアレが眼に入ったら爆笑して用を足せなくなるだろうと、僕の左横に座っている江の島先生と85インチの画面を交互に観ながら考えていた。

 憎らしいほどに茶目っ気がある先生だから裏の顔は真っ白なのっぺらぼうだろうな・・・。想像がつかなかった。

「それで、つまり君のポジションはどこだったの?」

聴いてくれていた。流石だ。

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