第16話 寒天の日/『懐かしの寒天デザート』
早春に祖母が亡くなり、迎えた新盆。母は白紋天と寒天デザートを用意した。
貧乏くさいし、市販品の方が喜ばれるのにと内心思っていた。
「懐かしい……おばあちゃんの味」
祖母の子や孫達は涙ぐんでいる。
「いつでも来てね」
唯一血のつながっていない母が一番家族を理解し、親戚をつなげていたんだね。
◆2月16日は「寒天の日」/2024年2月16日作
#140字小説 『懐かしの寒天デザート』
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