第3話

みんながこっちに向かってくる。


春「優君、久しぶりだね」

 久しぶりじゃない。俺は避けていたんだよ



夏「優!!ずっと会いたかったよ」


会いたくなかったよ。


秋「優君、これから一緒ですよ」

一緒なんて、嫌だよ。


冬「・・・優、かっこよくなった」

そうやってまた、遊ぶつもりか、


ヒロ「優、久しぶりだな。そのぉ、な」

何か言おうとしている。虐めのことは黙ってくれってことか、


トモ「優!!会いたかったぞ」

全く会いたくなかったよ。


クラスメイトの視線も俺に集中して、こんな公開処刑だ。


「・・・っ、」


やばい、トラウマで腹が痛くなって来た。


辞めろ。俺をほって置いてくれよ。


クラスメイトが俺のことを言っている。なんでインキャのあいつが?とか何か返事しろよとか


その通りだよ。だから俺をほって置いてくれよ。


そして、体調が悪い俺の顔に気づいた6人は


「本当にごめん(なさい、な)」✖︎6


意味がわからなかった。なんでこいつらは俺に頭を下げているんだ??


辞めろよ。頼むから辞めろよ。もう俺に関わらないでくれよ。


________


「痛いよ!!辞めてよ」


_________


春「私、本当に中学の頃はおかしかったの」


そう、俺が何をしたんだよ。おかしかった??


夏「私も、大切だったのについみんなに流されて」


流されてたって、散々笑って楽しそうだったよな。


秋「私もいけない思っていましたけど、してしまいました」


なら止めろよ、もっと早く。


冬「ごめん」


ごめん、じゃねぇよ。


ヒロ「本当にごめんな。俺が一番、お前を虐めてたな。本当にすまない」


そうだよ。絶対に許さない。しかも自分達は俳優とかやって気持ち悪すぎるだろう。


トモ「・・・優、ごめんな、俺達親友だったのに、大切な幼馴染だったのに」


何が親友だよ。ずっと殴ったら省いたり、酷いことをした癖に。





そして、優は、閉じ込めていた奥底の自分の思いがときはなれる感じがする。


________


「痛いよ!!辞めてよ。お父さん!!」


「これくらい、されて当然だろう!!」


「・・・お母さんご飯欲しいよ」


「・・・アンタ産んであげたのに、そんなふうに頼んでこないでよ」


________


人はこうやって謝罪一つで全てが済むと思ってる。


________


「やったー!!!賞を取った」


「今まですまなかった優!!」


「やっぱり、うちの息子は優秀だったのね」


________


痛みも苦しみも全然知らないで、


________


「このガキ!!謝ってやったら調子に乗りやがって!!」


「私達に恩一つ返す気がないなんて!!あんたが賞を取れたのも全て私が産んであげたお陰よ!!出て行きさない!!」


________


調子いいよな。痛みを知らない、痛みを与える側って、何も苦しんでない癖に謝罪すれば良いんだから。


「・・・うん、許すよ。」


「優!!」✖︎6


みんなは優を抱きしめる。

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