第7話

「ぼっちゃん、ダメざます!」

居眠りをしていた。

うるさいやつ。

仲良し4人組の中でも幼稚園からずっと一緒の由良は、俺の執事気取りだ。

俺んち母子家庭で貧乏なんだけど、それ故幼い頃は床屋へ行けず、おふくろによる坊っちゃん刈りだった。

転生坊っちゃん。

嫌なあだ名だけど、俺優等生だから。

皮肉で面白いし。

いまでは由良くらいしかそう呼ばないから、まあ少し寂しい気もするかな。

由良はいっつも燕尾服みたいなのに蝶ネクタイ。

ステッキも好む。

キザなやつ。

そこへ来ておせっかいだから、正直鬱陶しいよ。

でも、悪気は無いし、良いやつなんだ。

だからこそ、彼女でも作ってその世話好きをそっちに向けてくれないかなと思う。

だって俺にはまみちゃんが居て、あれこれお世話焼いてくれる。

「まみが坊っちゃんの何をわかるざますか?!」

「てんせはわたしの彼氏なんだよ!」

あーめんどくさ。

あ、ちなみにまみちゃんは江洲波まみ。

超能力は、使えない。

由良、世話好きなのに抜けたとこあってさ、時々「テンちゃま、ダメざますよ」とかキャラ設定間違えるんだ。

愉快な奴ではある。

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