5

 魔王は泣いていた。


「ケータと離れ離れになるなんて嫌なのじゃ……」


「魔王……」


 俺は魔王に近づこうとする。


「のわっ!?」


「はわわっ!?」


 俺は魔王がこぼしたクリームに足を滑らせて前のめりに転び、魔王に飛び込んでしまった。

 何がどうしてこうなったのか、押し倒すような形になってしまう。


「ケータ……」


 魔王が、潤んだ目でまっすぐにこちらを見る。頬がやや紅潮してる。

 意識しないようにはしていたが、魔王は(暴力的なことに目を瞑れば)かなり美人だと思う。おまけに身長の割に胸もかなり大きい。その上、普段から下着と大差ない格好をしている。

 ダメだ。一回意識してしまうとダメだ。理性が、爆発しそうになる。


「魔王……」


「サニア」


 魔王は短く言った。甘い吐息が漏れ出していた。


「ねえ、名前で呼んで……」


「サニア……」


 俺の理性は今崩壊した。

 サニアの背中に手を回し、結び目をほどく。

 褐色肌の豊満な胸が露わに


(ここからは有料会員限定です)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る