3

 んだったっけ?」


「くそー、おまけに300万ジェリーも失ってしまったのじゃ……」


「日頃の行いの差だな」


 今度は俺がルーレットを回す。


『10』


「チ、不正チートじゃー!」


「日頃の行いの差だろ」


 俺はコマを進めて、止まった箇所で2000万ジェリーを受け取る。

 俺にはこの世界に来た瞬間に「幸運+9999」という能力チートを手に入れたので、魔王の指摘もあながち間違いではない。俺は「運」が少しでも絡む勝負をする限り絶対に負けないのだ。


「まだじゃ! ここからが本番じゃ! 魔界の王たるワシの真の力を見せてやるのじゃ!」


「ほーう、やれるもんならやってみやがれ」



   ◆◇◆◇◆



「……」


 魔王がふてくされてしまった。


 ゲームは中盤に差し掛かったってところだが、俺が50億7200万ジェリーなのに対して、魔王はマイナス9億5500万ジェリーだ。

 あまりにも圧倒的な大差である。


 魔王は恨みがましい目でこちらを見ながら、ズゾゾゾとオレンジ(っぽい果実の)ジ

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