第3話 進化と配下
「ブラックダイヤバレットの乱れ撃ちだー!」
ババババババ!
俺は黒鉱石魔法も解禁したことで見る見るうちに数は減っていった。そしてゴブリンの数も数える程度になったときにいつの間にか瀕死の状態となっているゴブリンキング(黄魔石)がいた。
「・・・そう言えばまだ剣聖のあれを試してなかったな・・・こいつでいいか」
俺は忘れていた
剣を腰に構え俺は集中する。すると俺のブラックダイヤソードに光が集まってくる。みるみる光が集まり輝きが増していく俺の剣。そして10秒後に剣聖の技を発動する。
「・・・シャインエッジ!!」
ザン!!
俺が光の集まった剣を振り抜くと光が斬撃となりゴブリンキングに向かって飛んで行く。
「!?」
パリン!
ゴブリンキングは叫び声を上げる事なく光の斬撃にて胸を切断され黄魔石は破壊された。シャインエッジにて放たれた光の斬撃はゴブリンキングの胸を切断した後も木々を切断しながら魔物を殺しながら尚も突き進む。
これによりゴブリン集落は全滅した。そんな時に声がした。
『黄魔石の破壊を確認。進化します』
突然聞こえてきたそんな声。どうやら俺がゴブリン集落での戦いが終わった事で進化が始まったらしい。
俺は光に包まれる。
「さてさて・・・どんな魔物に進化するんだ?」
通常ならばゴブリンソード(赤魔石)やゴブリンマジシャン(赤魔石)などだろう。
そんな進化先を考えていると光がやみ進化が終わった。
「うん?・・・なるほど魔物は自然と分かるのか・・・」
どうやら魔物は進化した時に理解するらしい。自身がどのランクのどんな魔物に進化したかが。
「・・・ファーストゴブリンか・・・まさか赤魔石を飛ばして黄魔石に進化するなんてな。何気に新発見か?」
見た目は大人の人間まで成長して緑の肌が若干薄くなった感じ。
そしてファーストゴブリンだが発見されたことがない新種の魔物でとある黒魔石の魔物への進化ルートとなる魔物らしい。
「まあ、今は関係ないか。さて次はどうするか」
俺は戦いの終わりに生き残りがいないかを探す為に行ういつもの癖で詳細地図を発動。すると、とある家の隅っこにゴブリンの反応が。
「ゴブリン?なんでゴブリンが今だに家の中に?」
ゴブリンは馬鹿な魔物だ。そこに知性はなくどんな恐ろしい相手でも敵と認定すれば逃げることなく襲いかかる魔物である。
だからこそゴブリンが今だに家から出て来ずに家の中に居たままというのがあり得ないことだった。
「・・・気になるけど・・・たかがゴブリンだからな見逃してもいいけど・・・気になるな・・・」
というわけで俺は見に行ってみることに。
家の中を覗いてみるとそこには土下座した状態のゴブリンが。
「土下座?」
そのまさかの状態に不思議で首を傾げる俺。
「ゴブゴブ!?ゴブゴブブ!?ゴブブブ!?」
そして俺の身体にしがみ付きまるで命乞いをしているかのようなゴブリン。
というか今更だがどうして俺は同じゴブリンなのに言葉がわからないんだ?
「お前まさか・・・死にたくないのか?」
そう聞けば目の前のゴブリンは首を高速で縦に振る。
「・・・意思疎通が出来て・・・命乞いをするゴブリン・・・聞いたことが無い・・・」
呆気に取られる俺。そんな人間みたいな反応をするゴブリンは俺が知る限り存在しない。
俺は面白いと感じた。
「・・・お前は俺が仲間や家族を殺したことを憎んでるか?」
「ゴブゴブ?ゴブゴブ」
今度はゴブリンが首を傾げた後に横に振る。それはまるで"なんでそんなことを聞くのか"と言いたげに。
「お前らには親愛だったり友愛の心は無いのか?」
「ゴッブゴブゴブ」
ゴブリンは立ち上がりゴブリンの死体なら指を刺して✖️を作り自身を指差して○を作り出した。
「それはつまり他のゴブリンには無いけど自分にはあると?」
「ゴブゴブゴブゴブ」
そして正解のように頷くゴブリン。どうやらこの目の前のゴブリンだけが特別らしい。だが、他のゴブリンには特別な感情は抱いていないようだ。
「・・・お前、俺の配下になるか?」
「ゴブ?ゴブゴブ!ゴブゴブ!」
首を縦に振り了承のような態度となるゴブリン。
俺が目の前のゴブリンを配下にしたのはゴブリンになった事で魔物の国を作る可能性も考えての事と、単純に思考するゴブリンを見た事も聞いた事も無かったので面白いと思ったため。
「となるとお前に名前が必要だな・・・ん〜・・・」
「ゴブ?」
悩んだ結果悩むのがめんどくさくなった為に適当な名前にした。
「もうお前の名前はゴーブでいいだろ?」
「ゴブ!ゴブゴブ!ゴブブ!」
俺が名付けた名前に不服なのか抗議を入れるゴーブ。
「うるさい。お前はゴーブだ。さっさと行くぞゴーブ」
「ゴブゴブ!」
今だに何か言っているゴーブを連れて俺は歩き出す。
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