すきなひと。
あのね、
わたし、ゾンビなの。
ゾンビだから、
○んじゃったってこと なんだと思う。
○んじゃった はずなのに、
なんで
お仕事しなくちゃいけないのか は
よく わからない。
毎日、
お仕事 あるから、働く。
お仕事
街 行くとね、
いろいろな人 見る。
会う。
もの、もらう。
それで、
少し 思い出した。
わたし、
すきなひと、いた。
きっと。
すごく すごく すきなひと、いた。
けれども、
誰か 思い出せない。
思い出せたのは、
あの日、
焼けたバナナの皮が襲ってきて
川に飛び込んだ。
繋いだ手は、
水の中で 離れていった……
冷たくなったのは、
身体より先に こころ。
遠くなる……
離れていく……
枯れたはずの涙。
ぽろり
目を閉じると、
消えたはずのわたしのこころの泣き声がする。
目を開けると、
おねえさまが「だいじょうぶ」って、
ぎゅって
わたしを抱きしめてくれた。
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