歩んできた道
気がつくと、私は何かに向かって歩んでいた。
その何かは明確だってかもしれないし、
ずっと曖昧だったかもしれない。
私は歩んできた道を振り返ることはしなかった。
なんの意味もないと思ったし、
思い出したくないこともあったから。
道を進み続けていて、いつしか進めなくなった。
心が締め付けれるように苦しかった。
そのときふと、歩んできた道を見た。
私は確かに、その「何か」に辿り着けなかった。
しかし道はずっと長く、あの時から伸びていて、
道中には「何か」よりずっといいものがあった。
道には全てがあった。
良いも、悪いも、全てがあって、
やっと、それは道と呼べるのだろう。
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