悴む手
風は然程吹いていないが、追い風だった。
街灯は確かに私を照らしたけれど、真っ暗だった。
手は悴んで、思うように動かなかった。
扉を開けて、靴を脱いで、廊下を抜けて、やっと夕食を食べた。
決して豪華な食事ではないが、安心できた。
家は確かに小さいけれど、暖かった。
手はいつの間にか、思うように動いた。
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