1-(5/5)タイトル未定


 拳銃射殺論戦の予選、十人によって行われる戦い。


 解析と調査が一人ずつ名乗りを上げる①①真・真の陣形から始まった初日は、人柱の千手センジュを処刑し終了した。


 退場した千手センジュは案の定ただの人間だったことが解析結果アナライズ・リザルトで発覚し、一言も喋らず目を泳がせていた柄陸エリクという参加者が襲撃を受け二日目を迎える。


 香坂の調査によって〝黒〟と判明した漉乃コシノが処刑された二日目の夜、盤面が大きく動く。


 狼の襲撃失敗、犠牲者無し。


「あっしがね、今回の警備セキュリティ……やらせていただきやーした」


 勝利が、確定した。


和座浦ワザウラ終狼ラストウルフだと主張して警備の対抗として名乗りたい奴ぁいるか? いるなら出て良いぜ、俺が許す」


 香坂が促すが、出られるわけがない。そして和座浦ワザウラがもしも狼なら、警備を騙れるはずがないのだ。


 七人の三日目、つまり⑦→⑤→③で処刑回数は三回。


 僕は解析、香坂は調査、蓬生ヨモギは香坂が調査した確定白。そうなると残りのグレーは四名となり、さらに和座浦ワザウラが警備を名乗ることで灰幅グレースケールは狭まる。


 粒原ツブハラ御手洗ミタラシ胡麻村ゴマムラ、この中の誰が終狼ラストウルフだとしても残りの三回で処刑しきれるのである。


「えー? あっしが狼? そんなわけないですぜ、そこまでバカじゃありやせんよぉ」


 和座浦ワザウラの言葉は正しい。


 襲撃失敗、つまり警備の生存が確定、和座浦が狼で警備を騙っても直ちに真の警備が対抗する。そうなれば、三回の処刑回数から二名の警備を屠るだけで人間陣営の勝利となる。


「チェックメイトってやづだな、降参するじゃ」


 勝ち筋が完全に消え去った御手洗が、投了。


(一旦ここまで)

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